「グアテマラに行くけど、どんな料理があるんだろう?」「現地で何を食べればいいの?」
そんな疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
実は、グアテマラには国の無形文化遺産に登録された料理が8つもあり、マヤ文明から受け継がれた食文化は驚くほど奥深いのです。
本記事では、グアテマラ在住経験を持つスパニッシモのスタッフと現地グアテマラ人講師の視点から、旅行で食べたい伝統料理10選をご紹介します。
料理ごとのスペイン語での注文フレーズや、現地の食事マナーも解説していますので、ぜひ旅の参考にしてください。
| この記事でわかること | |
|---|---|
| ☑ | グアテマラ料理の特徴と無形文化遺産に登録された8つの料理 |
| ☑ | 旅行で食べたい伝統料理10選(5品が無形文化遺産) |
| ☑ | 現地の食事マナーとチップの習慣(現地人目線) |
| ☑ | レストランで使えるスペイン語注文フレーズ |
先に結論:グアテマラ料理の特徴と食文化
グアテマラ料理はマヤ文明のトウモロコシ文化とスペイン植民地時代の食材・技法が融合した独自の食文化です。
2023年時点で8つの料理が国の無形文化遺産(Patrimonio Cultural Intangible de la Nación)に登録されており、ペピアンやカキックといった伝統シチューは数百年の歴史を持つグアテマラのアイデンティティそのものです。
①マヤ文明のトウモロコシ文化が土台
グアテマラ料理の基盤は、マヤ文明から受け継がれたトウモロコシ(maíz)の文化です。
トルティーヤ、タマレス、アトルなど、トウモロコシを使った料理は毎日の食卓に欠かせません。
これに豆類(frijoles)と唐辛子(chile)を加えた3つの食材が、グアテマラ料理の基本構成です。
②スペイン植民地時代の融合(フュージョン)
16世紀のスペイン植民地時代に、ヨーロッパの食材と調理技法がマヤの食文化に融合しました。
グアテマラのシェフ兼考古学者レヒーナ・モラガ氏は「先住民の祖先のルーツとヨーロッパ人が持ち込んだ食材・技法が融合し、現在のグアテマラの多文化ガストロノミーを形成している」と述べています。
③無形文化遺産に登録された8つの料理
グアテマラでは、伝統的な調理法を次世代に受け継ぐため、8つの料理が国の無形文化遺産に登録されています。
最初の登録は2007年で、最も新しい登録は2023年のチョヒンバタネコです。
| 料理名 | スペイン語名 | 登録年 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ペピアン | Pepián | 2007 | ごま・唐辛子ベースのシチュー |
| ホコン | Jocón | 2007 | 緑のハーブシチュー |
| カキック | Kak’ik | 2007 | 七面鳥の赤いスープ |
| プラタノスエンモレ | Plátanos en mole | 2007 | バナナの甘いチョコレートソース煮 |
| ミスコ市のチョコレート | Chocolate de Mixco | 2009 | 伝統製法のチョコレート |
| ピノール | Pinol | 2015 | トウモロコシ粉の粥状シチュー |
| フィアンブレ | Fiambre | 2019 | 11月1日の大皿盛り合わせ |
| チョヒンバタネコ | Chojín bataneco | 2023 | 牛肉と野菜の炭火焼き |
出典:Prensa Libre — Comidas típicas declaradas patrimonio cultural
グアテマラの食文化は年末行事や宗教行事とも深く結びついています。
年末のConvivio(コンビビオ)やセマナ・サンタでは、それぞれの伝統料理が食卓を彩ります。
グアテマラの年末行事やセマナ・サンタ(聖週間)でも、それぞれの伝統料理が食卓を彩ります。
セマナ・サンタの伝統料理については、以下の記事で紹介しています。
グアテマラで食べたい伝統料理10選
ここからは、グアテマラ旅行でぜひ食べてほしい伝統料理10品を紹介します。
うち5品は国の無形文化遺産に登録されている料理です。
各料理のスペイン語名と簡単な発音ガイドも添えていますので、現地での注文にお役立てください。
①ペピアン(Pepián)— 国民的シチュー ★無形文化遺産

ペピアンはグアテマラで最も有名な伝統料理で、2007年に国の無形文化遺産に登録されました。
ごま、唐辛子(チレ・グアケとチレ・パサ)、トマト、ニンニク、パクチーをすり潰したソースに、鶏肉や牛肉、じゃがいも、にんじんを煮込んだ濃厚なシチューです。
グアテマラ中央地域の料理で、かつてはマヤの儀式や宗教行事で振る舞われていました。
ご飯とトルティーヤを添えて食べるのが定番です。
注文フレーズ
Me gustaría probar el pepián, por favor.
(ペピアンを食べてみたいのですが、お願いします。)
②カキック(Kak’ik)— マヤの七面鳥スープ ★無形文化遺産

カキックは、ケクチ語で「カク」(赤)と「イク」(辛い)を意味する七面鳥のスープです。
2007年に無形文化遺産に登録されました。
にんにく、玉ねぎ、ミント、パクチー、サマト(ノコギリコリアンダー)、アチョーテ(赤い色を出すスパイス)が欠かせない食材です。
グアテマラ中部のベラパセス地方が発祥で、一年を通じて食べられます。
特別な日にも日常にも登場する、マヤの伝統を色濃く残す一品です。
注文フレーズ
¿Tienen kak’ik hoy?
(今日はカキックはありますか?)
③ホコン(Jocón)— 5つの緑のシチュー ★無形文化遺産

ホコンはキチェ語の「ホクオム」(緑のペースト)に由来し、「5つの緑」とも呼ばれるシチューです。
2007年に無形文化遺産に登録されました。
食用ホオズキ(トマティーヨ)、グリーントマト、茎付きタマネギ、パクチー、唐辛子の5つの緑の食材がベースです。
ウエウエテナンゴ県の代表料理ですが、全国で食べられています。
鶏肉を煮込んだ酸味と辛みのバランスが絶妙で、ご飯とタマリート(小さなタマレス)を添えて食べます。
注文フレーズ
Quisiera el jocón con arroz, por favor.
(ホコンをご飯と一緒にお願いします。)
④タマレス(Tamales)— トウモロコシの蒸し料理

タマレスは、トウモロコシの生地に肉や野菜の具材を包み、バナナの葉で蒸した伝統料理です。
クリスマスや結婚式などの特別な行事には欠かせない料理で、家庭ごとにレシピが受け継がれています。
中には甘いフィリング(チョコレートやフルーツ、シナモン)を入れたデザート版もあります。
グアテマラでは朝食やおやつとしても日常的に食べられています。
注文フレーズ
¿Qué tipo de tamales tienen?
(どんな種類のタマレスがありますか?)
⑤プラタノスエンモレ(Plátanos en mole)— 甘いバナナデザート ★無形文化遺産

プラタノスエンモレは、揚げた食用バナナ(プラタノ)にチョコレート風味の甘いモレソースをかけたデザートです。
2007年に無形文化遺産に登録されました。
ソースのベースは唐辛子(チレ・パサ)、トマト、ごま、ペピトリア(瓜の種)、シナモンで、甘いパンとチョコレートでとろみと甘さを加えます。
一般的なモレソースは塩味ですが、グアテマラのモレは甘い味わい。
食後のデザートとして親しまれています。
注文フレーズ
De postre, quiero plátanos en mole.
(デザートに、プラタノスエンモレをください。)
⑥フィアンブレ(Fiambre)— 11月1日の大皿料理 ★無形文化遺産

フィアンブレは、毎年11月1日の「万聖節(Día de Todos los Santos)」に家族で囲む特別な料理です。
2019年に無形文化遺産に登録されました。
野菜、ソーセージ類、鶏肉、豚肉、牛肉、魚介類など50種類以上の食材を一皿に盛り付ける、グアテマラならではの豪華な大皿料理です。
家庭ごとにレシピが異なり、「うちのフィアンブレ」が家族の誇りとなっています。
赤いソースの「フィアンブレ・ロホ」と白いソースの「フィアンブレ・ブランコ」の2種類があります。
グアテマラの死者の日について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
⑦チレレジェーノ(Chile relleno)— 詰め物ピーマン

チレレジェーノは、ピーマンやハラペーニョにひき肉、にんじん、インゲン、香辛料を詰め、卵の衣で包んで揚げた料理です。
セマナ・サンタ(聖週間)の定番料理としても知られています。
外はサクサク、中はジューシーで、トマトソースをかけて食べるのが一般的です。
屋台から高級レストランまで幅広く提供されています。
注文フレーズ
Un chile relleno, por favor.
(チレレジェーノを一つ、お願いします。)
⑧フリホーレス(Frijoles)— 黒豆ペースト

フリホーレスは、黒豆を煮てペースト状にしたグアテマラの食卓に欠かせない一品です。
JICAの栄養士として現地で活動した嶋津さんによると、朝食にも夕食にもフリホーレスが登場するほど、グアテマラの食生活の基盤となっています。
トルティーヤに塗って食べたり、チーズと合わせたり、付け合わせとして他の料理に添えたりと、食べ方はさまざまです。
素朴ながらもクセになる味わいです。
⑨アトル(Atol)— トウモロコシの温かい飲み物

アトルは、トウモロコシやお米の粉を溶かして温めた、グアテマラの伝統的な飲み物です。
朝食や午前中の間食(レファクション)の時間に飲まれることが多く、ほんのり甘い味わいに癒されます。
バニラやシナモンで風味をつけたものや、チョコレート味のアトル・デ・チョコラテなど、バリエーションも豊富です。
寒暖差のあるグアテマラの高地では、体を温める飲み物として重宝されています。
⑩グアテマラコーヒー

グアテマラは世界有数のコーヒー生産国で、特にアンティグア地域のコーヒーは高品質として世界的に評価されています。
火山性の肥沃な土壌と標高の高い環境が、複雑な風味と酸味のバランスに優れたコーヒー豆を育てます。
現地のカフェでは、産地や焙煎にこだわったスペシャルティコーヒーを手頃な価格で楽しめます。
お土産としても人気が高く、コーヒー好きにはたまらない一品です。
注文フレーズ
Un café de Antigua, por favor.
(アンティグアのコーヒーを一杯、お願いします。)
スペイン語でのコーヒーの注文方法や関連表現は、以下の記事で詳しく紹介しています。
グアテマラコーヒーの産地ごとの味わいや等級の仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。
グアテマラの食事マナーと食習慣
グアテマラでは、日本とは異なる食事の習慣があります。
事前に知っておくと、現地での食事がもっと楽しくなるポイントを紹介します。
①1日5食の食習慣(レファクション文化)
グアテマラの食習慣で驚くのが、1日5食の文化です。
JICAの栄養士として現地で活動した嶋津さんによると、朝食・昼食・夕食の3食に加えて、「レファクション(Refacción)」と呼ばれる間食が午前と午後の2回あります。
| 食事 | スペイン語 | 特徴 |
|---|---|---|
| 朝食 | Desayuno | 軽め。トルティーヤ、卵、チーズ、フリホーレス |
| 午前の間食 | Refacción | フルーツ、パン、アトル |
| 昼食 | Almuerzo | 1日で最もボリュームがある。肉や魚がメイン |
| 午後の間食 | Refacción | パンやコーヒー |
| 夕食 | Cena | 軽め。スープや卵料理 |
昼食が1日のメインです。グアテマラの学校は半日授業が多く、子どもたちは家に帰って家族と一緒に昼食をとる習慣があります。
レストランでしっかり食事をするなら、昼食の時間帯がおすすめです。
②チップの習慣
グアテマラのチップ事情は、日本の旅行ガイドに書かれている内容と現地の実情が異なることがあります。
スパニッシモのスタッフの現地経験に基づくと、以下のような習慣です。
- 大衆店やローカル食堂:チップは支払わなくても問題ありません
- 高級レストラン:サービスチャージ(servicio)が会計に最初から含まれているケースが多いです
- 別途チップを渡す場合:10%程度が目安です
チップの習慣が気になるときは、事前にスペイン語で「店名 propina(チップ)」と検索すると、その店のチップ事情がわかることがあります。
③水と衛生の注意点
グアテマラでは水道水を直接飲むことは避け、ボトル入りの飲料水(agua pura)を購入しましょう。
レストランでも「agua pura」と注文すれば、ボトル入りの水が出てきます。
屋台で生野菜や氷入りの飲み物を注文する際は、衛生状態に気をつけましょう。心配な場合は加熱調理されたものを選ぶのが安心です。
食事中に「美味しい!」と伝えたいときのスペイン語表現は、以下の記事で紹介しています。
グアテマラの治安や安全対策の詳しい情報は、以下の記事で紹介しています。
レストランで使えるスペイン語フレーズ
グアテマラのレストランでは、スペイン語で注文できると料理の幅がぐっと広がります。
すぐに使える基本フレーズをまとめました。
①注文・おすすめを聞く
メニューをください
La carta, por favor.
(ラ・カルタ、ポルファボール)
おすすめは何ですか?
¿Qué me recomienda?
(ケ・メ・レコミエンダ?)
これをください
Quiero esto, por favor.
(キエロ・エスト、ポルファボール)
お会計をお願いします
La cuenta, por favor.
(ラ・クエンタ、ポルファボール)
②アレルギー・苦手な食材を伝える
〜にアレルギーがあります
Soy alérgico/a a ____.
(ソイ・アレルヒコ/ア・ア ____)
※男性は alérgico、女性は alérgica
辛くないものはありますか?
¿Tienen algo que no sea picante?
(ティエネン・アルゴ・ケ・ノ・セア・ピカンテ?)
レストランで使えるスペイン語表現をもっと知りたい方は、以下の記事で100個のフレーズを紹介しています。
スペイン語での「いただきます」「ごちそうさま」の表現は、以下の記事をご覧ください。
現地で使えるスペイン語フレーズを事前に練習しておくと、旅の楽しさが格段に上がります。
スパニッシモではグアテマラ人講師とマンツーマンで、旅行で使えるスペイン語を実践的に学べます。
よくある質問
- グアテマラ料理は辛いですか?
- 料理によって異なります。カキックやペピアンは唐辛子を使いますが、フリホーレスやタマレスのように穏やかな味わいの料理も多くあります。心配な場合は「¿Es picante?(辛いですか?)」と聞いてみましょう。
- ベジタリアンでもグアテマラ料理を楽しめますか?
- はい。フリホーレス(黒豆ペースト)、トルティーヤ、アトル、ピカード・デ・ラバーノ(大根サラダ)など、肉を使わない料理も豊富です。注文時に「Sin carne, por favor(肉なしでお願いします)」と伝えましょう。
- グアテマラ料理とメキシコ料理は何が違いますか?
- どちらもトウモロコシと豆を基盤としていますが、グアテマラ料理はマヤ文明の影響がより色濃く残っています。ペピアンやカキックのようなシチュー系が多いのが特徴で、メキシコ料理に比べて全体的にマイルドな味付けです。
- グアテマラで食事する際のマナーはありますか?
- 特別なマナーはありませんが、昼食がメインの食事なので、レストランの品揃えは昼が最も充実しています。大衆店ではチップ不要、高級店ではサービスチャージが含まれている場合が多いです。
- 無形文化遺産に登録された料理はどこで食べられますか?
- ペピアンやカキックなどは、首都グアテマラシティやアンティグアの多くのレストランで食べられます。フィアンブレは11月1日限定、チョヒンバタネコは1月19日にレタルウレウで食べるのが伝統です。
- スペイン語が話せなくても注文できますか?
- 観光地のレストランでは英語メニューがある場合もありますが、ローカルな食堂ではスペイン語のみのことが多いです。本記事で紹介した注文フレーズを覚えておくと安心です。
まとめ:グアテマラは「食」で旅がもっと楽しくなる
グアテマラ料理は、マヤ文明のトウモロコシ文化とスペイン植民地時代の融合が生んだ、奥深い食文化です。
8つの無形文化遺産料理に象徴されるように、グアテマラの食はこの国のアイデンティティそのもの。
ペピアンやカキックの濃厚な味わい、フィアンブレの豪華な盛り付け、そしてアンティグアコーヒーの香りは、きっと旅の特別な思い出になるでしょう。
グアテマラの観光スポットや旅行計画について知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
現地でスペイン語を使って注文ができれば、旅の楽しさは格段に広がります。
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参考文献
参照日:2026-03-30





