(最終更新日 2024/10/24)
スペインとラテンアメリカの多くの国々はキリスト教のカトリックを信仰しています。
その宗教行事で最も盛大に行われるのが「Semana santa(セマナ・サンタ)」です。
セマナ・サンタはアメリカでは「イースター」と呼ばれており、この呼び名の方が馴染みのある方も多いと思います。正確にはイースターは復活祭当日のみを指しますが、セマナ・サンタはキリスト教の聖週間で、復活祭の前の週に当たります。
この期間中、神に対する信仰心を示すため、厳粛な儀式やパレードが行われます。その見た目の華やかさから多くの観光客も訪れる各国での一大イベントとなっています。
セマナ・サンタやイースターについて耳にしたことがある人も、実際にこのイベントについて話そうと思うと、わからない方も多いのではないでしょうか。
本記事ではセマナ・サンタの起源や期間、行われる儀式やパレード、そしてスペイン語で使われる関連用語などを紹介します。
ぜひこちらの情報をもとに、セマナ・サンタについて話してみたり、現地に行かれる方は、事前情報としてお役立てください。
この記事でわかること |
・セマナ・サンタの意味と起源 ・セマナ・サンタの今年の開始時期と、行われること ・パレードの際に人々が運んでいる山車の意味 ・パレードする人が身につけている帽子や衣装の意味 ・アルフォンブラの意味 ・セマナ・サンタで食べられるもの ・セマナ・サンタ期間中に登場するスペイン語単語 |
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セマナ・サンタ(Semana Santa)とは?
セマナ・サンタとは何か、どのような期間・行事であるか、また、セマナ・サンタで使われるものや伝統的な衣装について紹介します。

セマナ・サンタの起源
セマナ・サンタはスペイン語で「聖なる週」という意味で、キリスト教の復活祭(イースター)に先立つ一週間の期間を祝う行事です。
その起源は16世紀にさかのぼり、カトリック教会においてキリストの受難の物語を無宗教の人々に伝える方法として生まれました。今日では、スペインやラテンアメリカの人々にとって信仰の中心的な基盤である「イエス・キリストの死からの復活」を祝うため、セマナ・サンタは非常に重要な行事です。多くの人々が休暇を取って家族や友人と過ごします。
セマナ・サンタの期間中、スペインの各地域やラテンアメリカの国々ではさまざまな行事が開催され、パレード(procesion)が行われます。
2024年のセマナ・サンタの日程
セマナ・サンタの日程は毎年変わります。
2024年のセマナ・サンタは、3月24日から31日に開催されます。
セマナ・サンタで行われること
セマナ・サンタ期間中は、キリスト教の信仰に基づいた特別な礼拝や行事が数多くあります。その中でも美しいパレード(procesion)がもっとも有名で、主にキリストや聖母マリアの像を山車(Paso)に乗せ、黒や紫の伝統衣装と三角帽に身を包んだ人々が引き、街中を練り歩きます。
スペインでの特徴的なセマナ・サンタの行事
スペインのアンダルシア地方、セビリア地方、マラガ地方では、特徴的なセマナ・サンタの行事が行われます。
アンダルシア地方では、パレードの際にバルコニーから歌われるフラメンコの一種「Saeta(サエタ)」が有名です。
セビリア地方では、聖金曜日の早朝に行われる「La Madrugá」と呼ばれるパレードには、豪華な山車や像が登場します。

マラガ地方では、「El Cautivo」と呼ばれる伝統のパレードがあり、花やろうそくで飾られた山車にイエス・キリストの像が乗って通りを練り歩きます。

ラテンアメリカでの特徴的なセマナ・サンタの行事
ラテンアメリカの多くの都市では、セマナ・サンタ期間中に、キリストが通ったとされる道路にアルフォンブラ(絨毯=じゅうたん)が敷かれ、街を彩ります。
アルフォンブラとは、神様の通り道を示すために、花や葉、果実、色付けされたおがくずなどで作った精巧な絨毯のことです。
アルフォンブラは、セマナ・サンタの最も印象的な側面の一つであり、ラテンアメリカの多くの国では、祭りの重要な部分とみなされています。
グアテマラでは、セマナ・サンタの期間中、各家庭がユニークなアルフォンブラをデザインし、通りを覆い尽くします。非常に華やかでカラフルであり、多くの観光客を集めています。この美しい祭りから、グアテマラのアンティグアで開催されるセマナ・サンタは「世界一美しい祭り」とも呼ばれています。
筆者自身も、グアテマラのアンティグアやケツァルテナンゴで、何度もセマナ・サンタを迎えています。荘厳な行事や、華やかなプロセッションを毎年楽しみにしています。


それ以外のラテンアメリカの国々でセマナ・サンタが有名な都市は以下です。
・コパカバーナ(ボリビア)
・キト(エクアドル)
・サンミゲル・デ・アジェンデ(メキシコ)
・タニャランディ(パラグアイ)
セマナサンタの参加者が運ぶもの
セマナ・サンタのパレードでは、参加者は大きな山車(Pasos=パソ)を担いで行進します。

パソはキリストの受難を芸術的に表現したもので、複雑な彫刻や絵画で飾られています。スペインやラテンアメリカで何世代にもわたって受け継がれてきたものです。
パソは主に木と石膏で作られているため、非常に大きく重く、重量は数トンにもなります。そのため、パレードの際には、一年を通じてパソの世話をしてきた多くの宗教団体のメンバーが集い、肩にかけて担いでいます。
パソを運ぶだけでなく、パレードの参加者は、ざんげと犠牲の象徴として、パレード用のろうそく、荒削りの木の十字架、手かせ、鎖を持つこともあります。
また、セマナ・サンタのパレードでは、ろうそくや木製の十字架、たいまつ、豪華な「カピロテ」(尖ったずきん)をかぶったナザレノが、ゆっくりと歩いている姿がよく見られます。
ナザレノとは日本語はで改悛者(かいしゅんしゃ)とも呼ばれ、彼らは「キリスト教で、神の恵みにより、罪のゆるしを得るために、自分の罪を認めそれをわびて、心を神に向きかえること。」の人を指します。
パレード参加者が被る三角の帽子と着ている衣装の意味
セマナ・サンタのパレードに参加する人々が身に着ける衣装には種類があります。その中でも一般的なのは、改悛者が着るローブと、尖った帽子である「カピロテ」です。

カピロテはカトリックの改悛者の象徴であり、厳粛なパレードに参加するメンバーにのみ許されます。カピロテは顔を覆って匿名性を保ち、ざんげの行為に集中するために使用されます。またカピロテは改悛者が神に近づく試みであることも象徴しています。カピロテは中世から着用されており、当初は犯罪者が公衆の面前で恥をかかされるために使用されていました。しかし後に宗教的なざんげと結びつくようになりました。
また、セマナ・サンタのパレードには、パソの後ろを歩く女性たちがいます。

彼女たちは、スペインの伝統的なベールをかぶり、全身黒ずくめの衣装を着用します。これらの衣装の起源は謎に包まれていますが、スペインやラテンアメリカのセマナ・サンタのパレードの重要なシンボルとして認識されています。
セマナ・サンタで食べられる伝統的な食べ物とは?
スペインのセマナ・サンタでは、以下の伝統的な料理が好んで食べられます。
- sopa de ajo(鶏のスープ、ニンニク、コショウで作るニンニクスープ)
- espinacas con garbanzos
(ひよこ豆とほうれん草を使った煮込み料理。聖金曜日によく食べられている。) - torrijas(フレンチトーストに似た食べ物で、朝食やデザートに出されるのが一般的)
- bacalao croquettes(タラのコロッケ)
- pestiños(蜂蜜をかけたフリッター)
- buñuelos de viento(軽くてふわふわのドーナツ)
- mona de Pascua (イースターケーキ)
- hornazo(ミートパイ)
- potaje de vigilia(野菜シチュー)
中南米でもセマナ・サンタで食べる伝統的な食べ物が多くあります。その一部をそれぞれご紹介します。
グアテマラ
- Elotes locos(茹でたコーンをマヨネーズで和え、チーズを散らし、マスタードとケチャップをかけて食べます。)
- garbanzos dulces(甘いひよこ豆)
- curtidos(野菜の漬け物)
- ayote en dulce(カボチャを生のサトウキビとスパイスで煮込んでデザート)
- Chiles rellenos. (ピーマンやハラペーニョに、ひき肉、ニンジン、インゲン、香辛料などを混ぜたものを詰め、卵の衣で覆って揚げたもの)
- Atols.(コーンミール、米、牛乳、チョコレート、コーンカーネルなどから作るこ濃厚なホットドリンク。)
- Chuchitos(グアテマラ版のタマーレス。トウモロコシの生地に肉とマイルドなトマトソースを詰め、トウモロコシの皮で蒸し焼きにしたもの)
- Empanada de manjar.(ミルクカスタードを入れた甘いエンパナーダ)
- Rellenitos. (プランタンの生地に黒豆を詰めて揚げ、砂糖をまぶしたもの)
- Mole de platano. (揚げたプランタンを、チョコレート風味の甘いモレソースをかけたもの)
- Chupetes. (三角形の小さなハードキャンディ)
メキシコ
- torrejas(甘い揚げパン)
- capriotada(パンプディング)
アルゼンチン
- empanadas de vigilia(ベジタリアン・エンパナーダ)
ペルー
- ceviche(生の魚と野菜で作ったカルパッチョ)
エクアドル
- fanesca(野菜やタラコ、穀物などを使ったスープ)
- ceviche(生の魚と野菜で作ったカルパッチョ)
セマナ・サンタに関連するスペイン語
セマナ・サンタのときに頻繁に登場するスペイン語を表にしました。
セマナ・サンタについて話すときは、以下のスペイン語を参考にしてください。
スペイン語 | 日本語 |
Semana Santa | 聖週間 |
procesión | パレード、パレード |
penitente | 悔い改める人、罪人 |
cofradía | 兄弟団、宗教組織 |
nazareno | ナザレの人、十字架を背負ったパレード参加者 |
capirote | 頭にかぶるフード |
saeta | 宗教的な歌 |
pasos | 像、彫刻 |
papeleta de sitio | 参加証 |
repicar | 鐘を鳴らす |
estación de penitencia | 罪の償いの行為 |

まとめ スペインや中南米で盛大に祝うセマナ・サンタ
本記事では、セマナ・サンタを理解するために、起源、期間、イベントの中身、山車や服装の意味、よく食べられる食べ物、セマナサンタ中に出てくるスペイン語単語を紹介しました。
キリスト教徒が少ない日本では馴染みの薄いイベントですが、スペインやラテンアメリカでは一年で一番盛り上がるイベントといっても過言ではありません。
ぜひ、本記事を参考にしてください。
またスペイン語を学んでいく過程の中で、スペイン語圏や日本のお祭りやイベントについて話す機会は多くなります。
例えば、セマナ・サンタについて話したいけど、まだ自信が無い方や、他にもいろんなイベントについて知りたいと思われた方は、ぜひスパニッシモの無料体験レッスンを活用してください。
セマナ・サンタについて質問したり、日本とは全く違うイベントについて、日本との比較をしながら話すことで、きっと話がはずむと思います。
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スペイン語を話せるようになるには、インプットだけでなく、アウトプットとして、学んだことをどんどん練習することが大切です。
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