(最終更新日 2024/05/31)
女性ひとり旅で世界1.3周を果たした川人さんによるガラパゴス諸島のレポート、第二弾!
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ガラパゴスに到着した翌日から早速観光に出かけることにした私と友人がまず向かった先は、
チャールズ・ダーウィン研究所というところ。
そこはチャールズダーウィン財団によってつくられた研究施設で、
この島の観光の目玉となっている場所です。
町の中心部から歩いてもアクセス出来るので、
おしゃれなアパレルショップやお土産屋さんをひやかしながら、私たちも町から歩いて向かうことにしました。
町を抜け、ゲートにたどりついてからさらに曲がりくねる一本道をひたすら歩き、ようやく入り口に到着。
施設内の看板を見ながら歩き始めると、早速茂みの中にゾウガメ発見!
生まれて初めて見る巨大なゾウガメに大興奮!
その他にもこんな色変わった色をした固有種のイグアナもいました。
さらにその翌日からは、イサベラ島という別の島に移動してみることに。
サンタクルス島から船で約2時間。
私は大丈夫でしたが、荒波に翻弄されて観光客のほとんどはグロッキー状態でした。
これから旅行される方は酔い止めを持っていかれた方がいいかもしれませんね。
そんなこんなで辿り着いたイサベラ島は、
サンタクルス島よりもさらに人間の生活エリアが小さくまとまっていて、
人間が島をちょこっと借りて住まわせてもらっている、そんな印象を受けました。
良い意味での「田舎らしさ」のようなものがあって、人と人との距離がとっても近く、
道を歩いていると必ず誰かが声をかけてくれたり、挨拶をしてくれるようなところでした。
そんなのーんびりとしたイサベラ島の雰囲気とは反対に、
そこでは毎日のようにアクティビティに参加する日々を送っていました。
ティントレーラ島という島へいくツアーでは、
その島の名前にもなっているTintoreraというサメを見たり、
もうお馴染みのアシカに加えて、ペンギンが泳ぎまわっているのも見ることが出来ました。
陸地にいる時はあんなによちよち歩くペンギンですが、
驚くようなスピードで泳いでいる姿は可愛いというよりかっこよくて、
船を待っている間に近くに来てくれたペンギンは、
目で追えないほどの見事な泳ぎを披露してくれました。
まるで海という空を飛んでいるような自由自在な動きに、
エクアドル人グループの参加者と共に大興奮してしまいました。
その他にも、船での移動中にアオアシカツオドリというその名の通り足だけが真っ青な珍しい鳥も見ることが出来ました。
さすが固有種の宝庫、ガラパゴス!
その後向かったシュノーケリングスポットのラグーンでは、
運が良ければアシカやウミガメと一緒に泳げるということだったので、
参加者全員で楽しみにしていました。
ポイントに到着し、みんなでフィンとマスクをつけていざ海の中へ!
しばらく泳いでいると、早速ウミイグアナが尻尾を上手く使ってすいすいと水面を滑るように泳いでいる姿を見ることができました。
海の中で同じ目線の高さにイグアナが泳いでいるという、普通ではあり得ない光景。
ガラパゴスはやっぱりおもしろい!
そうして忙しくイサベラ島を満喫した私たちは数日後再び船に乗ってサンタクルス島へと戻り、
今度は山の上にあるカメセンターへと向かいました。
ここでの私たちの目的はこの空っぽの大きなゾウガメの甲羅!
この甲羅は、見るだけでなく実際に中に入って
ゾウガメを疑似体験(?)出来るということでこの施設の目玉になっています。
とにかく想像していたよりもと重く、中に入ってトライしてみたのですが、
カメのように歩くどころか一人では少しも甲羅を持ち上げることが出来ませんでした。
ゾウカメのあのたくましい足はみせかけだけじゃないんですね。
ひとしきりゾウガメ体験をした後は、ガイドの方に連れられて敷地の中を歩いて見学してまわりました。
自然の中にある飼育スペースの森の中に突如現れる巨大なゾウガメは、なんだかとっても神秘的でした。
また、別の日には日帰りで行けるフロレアナ島という小さな島へもツアーに参加して行ってきました。
海賊がやってきていた名残を残すポイントをいくつか見てまわりながらここでもたくさんのゾウガメを見た後、ツアー最後のプログラムだったシュノーケリングでは、運よくアシカやペンギンと一緒に泳
ぐことも出来ました。
ガラパゴスに来るまでは知らなかったのですが、アシカはとっても好奇心旺盛でなんと人間をからかって遊ぶほど。
海の中でカメラを構えてアシカを追っていると、
人間めがけて一直線にものすごいスピードで向かってきては、
ぶつかる30センチ手前くらいでさっと身を翻し、人間が驚いている様を楽しんでいるかのような行動をとったりするんです。
人間に飽きると、木の枝をアシカ同士で取り合って遊んだり、まるで海の中で犬同士がじゃれあっているようでした。
こうしたアイランドトリップやシュノーケリングの他にも、
もちろんスキューバダイビングもガラパゴスの目玉アクティビティのひとつになっていて、
私が潜ったところでは見れませんでしたが、
別のポイントではハンマーヘッドシャークの大群に遭遇出来たりもするそうです。
こんな風にして毎日ガラパゴスの大自然を思いっきり楽しんでいる間に、
あっという間に時は流れ、気が付けばもうエクアドル本土へ帰る日がやってきてしまっていました。
私たちは後ろ髪をひかれる思いでサンタクルス島を出発し、バルトラ島の空港へ向かいました。
チェックインを済ませた後、小さな出発ゲートのベンチに腰掛けて飛行機を待っている間、
私はしんみりとこの1週間と少しの日々をゆっくり反芻することにしました。
次々に頭の中に蘇る思い出はどれも眩しくて、
その一つ一つのシーンを、映画でもみるように目を凝らして追っていきました。
悟りきったような顔をして森の中に佇む人より大きなカメ、
大海原をすいすいと泳ぐちっちゃい恐竜みたいなイグアナ、
空を見上げれば足だけ鮮やかなスカイブルー色をした鳥が飛んでいて、海の中ではアシカが人間をからかっている…
不思議の国ならぬ不思議の島に迷い込んでいたんじゃないかと思ってしまうような、
それか、まるでおかしな長い夢でも見ていたかのような、そんな気持ちがしたのを覚えています。
その後エクアドル本土の町に戻ってもなお、
ガラパゴスでの日々は強烈に頭の中に居座り続けていました。
きっとあの島々には、まだ私たちが知らない不思議な動物たちが暮らしているんでしょうね。
ピンク色をしたイグアナも最近見つかったくらいなんですから。
そう思うとなんだかわくわくしてしまいます。
Las isalas galápagos.
不思議な動物たちと、少しの人間が暮らす島。
きっと何十年経っても思い出すんだと思います。
地球の裏側にある、夢とロマンが詰まった美しい不思議の島のことを。