(最終更新日 2026/06/11)
日本でおなじみのパエリアも、本場スペインでは「パエジャ」と呼ばれ、種類も食べ方も思っているより奥が深い料理です。
発祥はどこか、何種類あるのか、現地ではどう頼むのか。知っておくと、本場の一皿がぐっと味わい深くなります。
パエリアは東部バレンシア地方で生まれた米料理。
シーフードだけでなく、鶏やうさぎを使うバレンシア風、イカ墨など種類はさまざまです。本記事では発祥・名前の由来・種類・本場での頼み方を整理し、注文に使えるスペイン語のひとことも添えました。
本記事の根拠について
発祥や種類などの情報は、ヨーロッパ観光委員会の公式サイトや料理メディア、百科事典など複数の情報をもとにまとめています。発祥の時期や起源には諸説があるため、本記事では「〜とされる」という形で紹介しています。価格や店舗の状況は時期・場所で変わるため、目安としてご覧ください。
先に結論:パエリアとはどんな料理?(発祥・種類の早見)
この記事の結論
どこの国の料理? スペイン東部・バレンシア地方発祥の米料理です。
名前の由来は? 「パエリア(paella)」は本来バレンシア語で「フライパン(鍋)」を意味し、鍋の名が料理名になりました。
どんな種類がある? シーフード、伝統的なバレンシア風(鶏・うさぎ)、ミックス、イカ墨(アロス・ネグロ)など。
本場での食べ方は? 昼食として食べるのが一般的で、鍋底のおこげ「ソカラ」を味わうのが楽しみ方の一つです。
①パエリアの種類 早見表
| 種類 | 主な具材 | 特徴 |
|---|---|---|
| バレンシア風 | 鶏肉・うさぎ肉・インゲン豆など | もともとの伝統的なパエリア。山の幸が中心 |
| シーフード | エビ・ムール貝・イカなど | 日本でなじみ深い魚介のパエリア |
| ミックス | 肉+魚介+野菜 | 比較的新しい。バランスよく食べやすい |
| イカ墨(アロス・ネグロ) | イカ墨・魚介 | 真っ黒な見た目とコクのある味わい |
| 野菜 | パプリカ・アーティチョークなど | ヘルシーで彩り豊か |
②まず押さえたいパエリアの基本
パエリアは、スペイン東部・バレンシア地方発祥の米料理です。世界的に人気のあるスペイン料理の一つで、本場バレンシアではパエリアのお祭りもあるほど親しまれています。
バレンシア地方は「スペインの米どころ」と言われるほど稲作が盛んで、山の幸にも恵まれた土地。この豊かな食材を生かして米料理のパエリアが生まれたとされています。
パエリア独特の黄色い色は、サフランというスパイスによるものです。サフランは色をつけるだけでなく華やかな香りを持ち、魚介の風味とも相性が良い高級香辛料です。
調理にはパエジェラと呼ばれる専用の鍋を使います。両側に取っ手の付いた平底の浅い鍋で、1人用の小さなものから、お祭り用の1m近い大きなものまであります。
スペインの食材や料理名をスペイン語で知りたい方は、レシピの読み方や食材のスペイン語をまとめた以下の記事もあわせてどうぞ。
パエリアの発祥と名前の由来
パエリアはスペイン東部・バレンシア地方で生まれたとされる米料理です。名前の「パエリア(paella)」は、もともとバレンシア語で調理に使う「フライパン(鍋)」を指す言葉でした。鍋の名前が、いつしか料理そのものの名前として広まったのです。
起源には諸説ありますが、スペインに稲作を伝えたアラブ人に由来するという説が知られています。

①バレンシア地方発祥とされる背景
パエリアの起源は諸説あるものの、スペインに稲作をもたらしたアラブ人に由来し、バレンシアの豊かな田園地帯で稲作文化が発展した結果、生まれたと言われています。
もともとのバレンシア風パエリアは、ウサギ肉やサヤエンドウなど、農民が手に入れやすい食材で作られていました。農作業の合間に屋外で作って食べたとも言われ、家族や仲間と囲む素朴な郷土料理が出発点だったのです。今もバレンシア市郊外のラ・アルブフェラ湖周辺は指折りの米どころで、隣接するエル・パルマールはパエリア専門店で有名な村として知られています。
②パエリアの語源は「フライパン」
「パエリア」という言葉は、本来バレンシア語でフライパン(鍋)を意味します。バレンシア地方の外へこの鍋を使った料理法が伝わるうちに、調理器具よりも料理の名称として、スペイン全体や他の国へ浸透していきました。
ちなみに、パエリアを炊く人のことを、女性なら「パエジェーラ(paellera)」、男性なら「パエジェーロ(paellero)」と呼びます。鍋・作る人・料理が、よく似た言葉でつながっているのも面白いところです。
③「パエリア」と「パエジャ」、どっちが正しい?
日本語では「パエリア」「パエジャ」「パエーヤ」など、いくつかの表記を見かけます。どれかが間違いというわけではなく、これはスペイン語の ll という文字の読み方の違いを反映したものです。
スペイン語の ll は、地域や話す人によって「リャ」「ジャ」「ヤ」などと発音されます。この違いがそのままカタカナ表記のゆれになっているので、どの表記も実際の発音に対応した「正解」だと言えます。発音の細かなニュアンスは、後半の「パエリアにまつわるスペイン語」のセクションで紹介します。
パエリアの主な種類と見分け方
パエリアと一口に言っても、具材によっていくつもの種類があります。日本でなじみ深いのは魚介のシーフードですが、本場には伝統的なバレンシア風やイカ墨など、見た目も味わいも異なる種類が豊富です。
名前だけでは違いがイメージしにくいので、各種類の写真も添えました。見た目を比べながら選んでみてください。
①バレンシア風パエリア(伝統的な山の幸)
パエリア・バレンシアーナは、発祥地バレンシアの伝統的なパエリアです。鶏肉やうさぎ肉、カタツムリ、インゲン豆、パプリカなどの山の幸を中心に作られます。
基本的に塩とサフラン以外の調味料・香辛料を入れないため、素材そのものの風味を生かした素朴な味わいが特徴です。「魚介のパエリアが本場」と思われがちですが、もともとはこの山の幸のパエリアが原点です。

②シーフードパエリア(魚介)
パエージャ・デ・マリスコスは、エビやムール貝、イカ、タコなどの魚介を使ったパエリアです。日本で「パエリア」といえば、まずこのシーフードを思い浮かべる人が多いでしょう。
魚介のうま味が米全体に染み渡り、海の幸が好きな人にはたまらない一皿。地中海に面した沿岸の街では、新鮮な魚介を使ったパエリアを味わえます。

③ミックス・イカ墨・野菜のパエリア
肉と魚介の両方を入れたミックス(パエージャ・ミスタ)は、肉のうま味と魚介の香りをバランスよく楽しめる、比較的新しい種類です。
真っ黒な見た目のイカ墨(アロス・ネグロ)は、イカ墨の濃厚なコクが魅力。最初は見た目に驚くかもしれませんが、一度食べるとクセになる人も多い一皿です。
このほか、パプリカやアーティチョークなどを使った彩り豊かな野菜のパエリアもあります。

④米以外のバリエーション(フィデウア)
カタルーニャ地方には、米の代わりに細いパスタを使ったフィデウア(fideuá)という料理があります。見た目はパエリアそっくりですが、口に入れるとパスタの食感で、パエリアとはひと味違う楽しさがあります。
メニューでパエリアの近くに並んでいることが多いので、本場では食べ比べてみるのもおすすめです。なお、米を使うパエリアでも、バレンシアでは短粒種のジャバニカ米やボンバ米がよく使われます。
本場での食べ方・頼み方のコツ
本場でパエリアを楽しむなら、知っておきたいコツがいくつかあります。スペインではパエリアを昼食として食べるのが一般的で、家族や友人と大人数で囲む料理。注文してから炊くため、出てくるまでに時間がかかるのが本来の姿です。
待つ時間も含めて楽しむ。そんなつもりで、ゆったり構えるのが本場流です。
①食べる時間帯は「昼」が一般的
バレンシアでは、パエリアは「家族そろって過ごす日曜日のランチの定番」とも言われます。もともとオレンジ畑の農民が、昼食として屋外で炊いて食べていた料理でもあります。
そのため、本場ではパエリアを昼にしっかり食べるのが一般的。夜にこだわる必要はありませんが、せっかくなら現地のリズムに合わせて、昼のメインとして味わうのがおすすめです。
②人数と注文の単位
パエリアはもともと大きな鍋で作り、みんなで取り分ける料理です。お店でも「2人前から」といった単位で注文することが多く、1人分だけ頼むのが難しい場合もあります。
少人数で行くときは、メニューの最低注文人数を確認しておくと安心。複数の種類を少しずつ食べたいときは、人数より控えめに頼んで前菜(タパス)と組み合わせるのも一つの方法です。
③おこげ「ソカラ」を楽しむ
パエリアの隠れた主役が、鍋底にできるおこげ「ソカラ(socarrat)」です。本場ではこのおこげが珍重され、香ばしさとうま味が凝縮した部分として好まれます。
本場バレンシアでは、米に芯が残ったものや、汁気が多すぎるもの、柔らかくなりすぎたものは「うまく炊けていない」とされます。鍋底まですくって、香ばしいソカラを探してみてください。
④観光客向けの店の見分け方
観光地では、店先に完成したパエリアの写真を大きく並べていたり、すぐに出てくる店も見かけます。注文後に炊くと時間がかかるため、「待たずに出てくる」場合は冷凍や作り置きを温め直していることもあります。
本場の味を求めるなら、地元の人でにぎわっている店や、注文を受けてから炊く店を選ぶのが目安です。あくまで一つの見分け方ですが、迷ったときの参考にしてみてください。
パエリアの素や缶詰など、スペインの食を持ち帰るお土産選びについては、以下の記事でまとめています。
スペインのお土産おすすめ20選【2026年版】定番から雑貨まで
パエリアにまつわるスペイン語(呼び方・頼み方)

本場でパエリアを頼むとき、スペイン語のひとことが言えると注文がぐっとスムーズになります。
スパニッシモのグアテマラ人講師が、旅行前のレッスンで実際に練習するフレーズの中から、レストランですぐ使える表現を選びました。発音はカタカナを参考にすれば、初めてでも通じます。
①「パエリア」の発音のコツ
スペイン語で書くと paella です。ll の部分が、日本語表記で「リャ/ジャ/ヤ」とゆれる箇所です。
多くの地域では「パエージャ」に近い発音になりますが、地域によっては「パエリャ」のように聞こえることもあります。どちらで言っても通じますので、まずは思い切って声に出してみるのが上達の近道です。
②レストランで使える注文フレーズ
Una paella de marisco, por favor.
(ウナ パエージャ デ マリスコ ポル ファボール/シーフードパエリアを一つください。)
¿Para cuántas personas es?
(パラ クアンタス ペルソナス エス/これは何人前ですか?)
パエリアは人数単位で注文することが多いので、「何人前か」を確認できると安心です。
③「これは何ですか?」など便利な一言
¿Qué es esto?
(ケ エス エスト/これは何ですか?)
¡Está muy rico!
(エスタ ムイ リコ/とてもおいしいです!)
メニューに知らない料理があったときや、味の感想を伝えたいときに役立ちます。「おいしい」のひと言は、お店の人との距離もぐっと縮めてくれます。
レストラン以外の買い物の場面で使えるスペイン語の表現は、状況別にまとめた以下の記事が便利です。
本場でパエリアをスペイン語で頼めると、旅の食事はもっと思い出深いものになります。
こうした注文フレーズや発音を、出発前にネイティブ講師と練習しておきたい方は、スパニッシモのオンラインレッスンが役立ちます。マンツーマンなので、旅行で使う場面に合わせて準備できます。
まとめ|本場のパエリアを楽しむために
パエリアは、スペイン東部・バレンシア地方発祥の米料理です。「パエリア」という名前は本来バレンシア語で「フライパン(鍋)」を意味し、サフランの黄色と専用鍋パエジェラが特徴です。
種類は、日本でなじみ深いシーフード、伝統的なバレンシア風(鶏・うさぎ)、ミックス、イカ墨など豊富で、米の代わりにパスタを使うフィデウアもあります。
本場では昼食として大人数で楽しむのが一般的で、鍋底のおこげ「ソカラ」を味わうのが楽しみ方の一つ。注文してから炊く店を選ぶと、より本場の味に近づけます。
「パエリア」と「パエジャ」の表記ゆれは、スペイン語の ll の読み方の違いによるもので、どちらも正しい呼び方です。
本場の味が決まったら、最後に「現地の言葉」も少しだけ。
注文のひと言が言えるだけで、スペインでの食事はぐっと楽しくなります。渡航前に会話を練習したい方は、スパニッシモの無料体験レッスンをご利用ください。
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スペイン語を話せるようになるには、インプットだけでなく、学んだことをどんどん練習するアウトプットが大切です。
スパニッシモに在籍しているグアテマラ人講師とスペイン語を練習して、スペイン旅行をもっと楽しみませんか?
ご注意
本記事のパエリアに関する情報は公開情報に基づく一般的な紹介です。発祥や起源には諸説があり、種類の定義や本場の作法も地域・店舗によって異なります。価格やお店の状況は時期や場所で変わる場合があるため、最新の情報は現地でご確認ください。
参考文献
参照日:2026-06-10








