(最終更新日 2024/05/31)
青年海外協力隊員として2年のグアテマラ居住経験を持つ
丸山さんのグアテマラレポート、第三回目です♪
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今回はグアテマラの織物についてお伝えします。
グアテマラを訪れた方が最初に驚かれることは、色鮮やかな民族衣装かと思います。
町を歩いていると、繊細なデザインをあしらった織物をまとった人々をたくさん見かけます。
湿度の高い気候ゆえに古代裂(※古い時代の染織品の端布のこと)は発見されていませんが、織物自体は1500年前から行われているといわれています。
調査によると、80の村々で独自の柄による織物が生産されているのだとか。
なんと衣装をみるだけで、どの地域から来た人々なのかが分かったりもします。
織られているモチーフは鳥や動物、お花、幾何学模様と本当にさまざまです。
一部刺繍をしている地域もありますが、ほとんどの民族衣装は織物(柄が織りこまれています)。
布に後から刺繍をした方が簡単だと思うのですが、マヤの女性たちは織り込むことにこだわっています。
私もマヤの女性に織物を習ったことがあるのですが、実はこれ、本当に大変なんです!!
最初に柄を決めて、どこにどんな色を何目入れるか決めて、糸目の数を計算しながら下から織っていくんです。
次に来るはずの色を入れ忘れてやり直しということもしばしば・・・。
そうそう、織機には腰織機と高機の2種類があります。
①腰織機(tellar de sintura)
腰織機はマヤの女性たちが一般的に使っている織機になります。
木の棒、腰にあてる(皮)布、引っ掛ける場所があれば必要なものが揃い、経済的です。
女性たちは庭先で家事の合間をぬって織っていたりします。
この織り方で織られるのは女性たちの上着(ウィピル)が多く、綿糸に加え、近年は光沢のある化学繊維糸も使用されるようになっています。
②高機(tellar de pie)
高機は日本もあるおなじみの織機ですね。
とにかく腰織機に比べて織れる速度が速いので、テーブルクロスやコルテ(スカート)のように大きさの大きいものや、デザインがそれほど細かくないものに対して使用されています。
腰織機は腰をつかって縦糸がピンと貼っている状態をキープしなければいけないので、長時間織っていると腰が痛くなります。
高機は腰の痛みがない分、高速で織っていくため腕が痛くなります。
私は1日体験させてもらったら、翌日は筋肉痛でとても辛かったです。
織物といっても、結構体力勝負なのだな、という印象を持ちました。
綿密な計算、文化によって作りあげられるグアテマラの布。
人々の生活や想いが織りこまれた、世界に1枚だけの手作りの布たち。
きっと、みなさんのお気に入りの1枚が見つかります。
きっと、誰かにあげたい1枚が見つかります。
ぜひ、グアテマラの布の世界を探検してみてくださいね。
¡¡Hasta Pronto!!(では、また。)
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◆丸山さんからのおすすめサイト◆
NIM POT (http://www.nimpot.com/)
民芸品のお店のサイトになるのですが、民族衣装がたくさん載っています。
よかったらこちらもあわせてご覧ください。
左にあるpueblosの下に町の名前が並んでいて、その町の民族衣装が見られます。