スペイン語で「偶然」は3種類!casualidad・coincidencia・sin querer の使い分け

(最終更新日 2025/08/20)

スペイン語で「偶然」はなんという?

スペイン語で「偶然」を表現したいとき、どの言葉を使えばいいか迷いますよね。
まずは場面別の基本表現を確認しましょう。

使用する場面推奨表現
探していないのに見つかったpor casualidad / de casualidad
偶然の一致・奇遇だcoincidencia / ¡Qué coincidencia! / ¡Qué casualidad!
意図せずやってしまったsin querer / por accidente
丁寧な依頼のまくらことば¿No …, por casualidad?

ポイント

「偶然に・たまたま」は por casualidad

ミスや過失は sin querer / por accidente が基本。

1分で「偶然」の全体像をつかもう

「偶然」は一語では足りません。出来事の偶然偶然の一致うっかりミスで、使う表現が変わります。

友人にばったり会った
por casualidad

同じ本を買っていた(奇遇)
¡Qué coincidencia!

コーヒーをこぼした(過失)
sin querer / por accidente

この3パターン(casualidad / coincidencia / sin querer・por accidente)を押さえれば、もう迷いません。
以下に表で整理しました。

場面キーワード代表フレーズ
出来事が「起きた」casualidadpor / de casualidad(偶然に)
「奇遇」な一致coincidencia¡Qué coincidencia!(なんて偶然!)
うっかりミスsin querer / por accidenteLo hice sin querer(うっかりやった)

場面別での「偶然」の使い方早見表

実際の会話や文章で使える「偶然」関連の単語を整理しました。
名詞から副詞句、さらに文型まで、これらを押さえれば基本的な表現は網羅できます。

名詞

casualidad:偶然(出来事)

coincidencia:偶然の一致、偶然の重なり

azar:偶然、運(文語的)

副詞・句

por casualidad:偶然に、たまたま

de casualidad:偶然に(口語寄り、主に中南米)

casualmente:偶然に(副詞)

(por) azar / al azar:偶然に/無作為に

事故・過失系

sin querer:うっかり、わざとじゃなく(会話)

por accidente:誤って、間違って

accidentalmente:偶発的に(文語寄り)

文型

Fue (una pura) casualidad que + 接続法

Dio la casualidad de que + 直説法

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ネイティブ感をアップさせる「偶然」の使い方

ここからは、それぞれの表現の具体的な使い方を例文とともに見ていきましょう。
似ているようで微妙に違うニュアンスを理解することで、より自然なスペイン語が話せるようになります。

“casualidad”で出来事の偶然を表現する

最も基本となる「偶然」の表現が casualidad です。
これを使った副詞句や強調表現まで、順番に確認していきましょう。

casualidad は「偶然の出来事」を表す最も一般的な名詞です。

例文

Me encontré con él por casualidad en la biblioteca.
図書館で偶然彼に会った。

Fue una pura casualidad que nos encontráramos allí.
そこで出会ったのは全くの偶然だった。

Me enteré de la noticia por casualidad.
そのニュースを偶然知った。

Casualmente, pasaba por aquí.
たまたまこの近くを通りかかったんだ。

注意点

por casualidadde casualidad はほぼ同義ですが、de casualidad はより口語的です。

pura casualidad で「全くの偶然」と強調できます。

“奇遇だね!”は coincidir でこう言う

誰かと同じタイミングで何かをしたり、偶然同じ場所にいたりしたときは coincidencia の出番です。
相槌としても頻繁に使われる便利な表現です。

coincidencia は二つ以上の事柄が偶然一致することを指します。

例文

¡Qué coincidencia! Yo también estudié en esa universidad.
なんて偶然!私もその大学で勉強してたんです。

Es una gran coincidencia que cumplamos años el mismo día.
同じ日が誕生日なんて、すごい偶然だね。

La reunión coincidió con mi día libre.
会議がちょうど私の休日と重なった。

注意点

相槌として ¡Qué coincidencia! / ¡Qué casualidad! は頻繁に登場しますので覚えましょう。

動詞 coincidir (con) も「〜と重なる」の意味で使えます。

La fecha coincide con el feriado.(日付が祝日と重なる)のように前置詞 con を使います

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うっかりミスは sin querer?por accidente?

ここが日本人学習者が最も間違いやすいポイントです。
「偶然」といっても、ミスや過失の場合は casualidad を使いません。

意図しないミスや過失を表現する際は、casualidad ではなく以下を使います。

例文

Lo rompí sin querer.
うっかり壊してしまった。

Envié el mensaje por accidente.
間違ってメッセージを送ってしまった。

El archivo se borró accidentalmente.
ファイルが誤って削除された。

注意点

sin querer は会話でよく使われる自然な表現です。

por accidente は説明的でやや改まった印象を与えます

accidentalmente は中立〜ややフォーマル寄り。日常会話では sin querer が一般的です。

接続法 or 直説法?『偶然』の文型2選

「〜だったのは偶然だ」という文を作るときの決まった型があります。
接続法を使うか直説法を使うかで、微妙にニュアンスが変わってきます。

Fue una (pura) casualidad que + 接続法

Fue una casualidad que te viera en el aeropuerto.
空港で君を見かけたのは偶然だった。

Dio la casualidad de que + 直説法

Dio la casualidad de que teníamos el mismo vuelo.
たまたま同じ便だった。

Variante: Fue por casualidad que + 直説法

Fue por casualidad que te vi en el aeropuerto.
空港で君を見かけたのは偶然だった。

注意点

Fue… que は主観的な評価のニュアンス

Dio la casualidad de que は事実の叙述

魔法の枕詞「¿No …, por casualidad?」

相手に何かを尋ねるとき、「もしかして〜」というニュアンスを加えたい場合の定番表現です。
丁寧さのレベルも調整できます。

例文

¿No tendrás un cargador, por casualidad?
もしかして充電器持ってたりしません?

¿No sabrás dónde está la sala de reuniones, por casualidad?
もしかして会議室がどこか知りませんか?

(Más cortés) ¿No sabrías dónde está la sala de reuniones, por casualidad?
もしかして会議室がどこかご存知ではないでしょうか?

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スペインで使われる「偶然」のスラング

教科書にはあまり載っていませんが、スペインでネイティブがよく使う口語表現もいくつか紹介します。
ただし、地域によって使用頻度が異なるので注意が必要です。

por un casual [口語、主にスペイン]

Si por un casual lo ves, dile que me llame.
もし万が一彼に会ったら、電話するよう伝えて。

de chiripa [口語、主にスペイン]

注記のみ:「まぐれで」の意味の口語表現です。

al azar

Lo eligieron al azar.
無作為に(偶然に)それが選ばれた。

NG 例で覚える「偶然」を言うときの“やりがちミス”

最後に、日本人学習者がよく間違える2つのポイントを確認しておきましょう。
これらを意識するだけで、ぐっと自然なスペイン語に近づきます。

ミスに por casualidad を使わない

❌ Lo hice por casualidad(偶然やった)

⭕ Lo hice sin querer(うっかりやった)

eventualmente は英語の eventually と同じ使い方はしない

eventualmente は「場合によっては」の意味です。

英語のeventuallyと同じ意味の「最終的に」は finalmente / al final を使います。

よくある質問

ここまで読んでいただいた内容の中で、特によくある質問をまとめました。
実際の会話で迷いやすいポイントを中心に解説します。

por casualidad と de casualidad は同じ?
ほぼ同義ですが、de casualidad は口語寄り。書き言葉では por casualidad が無難です。
偶然ですね!」は?
¡Qué coincidencia! が最も自然。丁寧に言うなら「Vaya coincidencia.」も使えます。
「うっかり送ってしまった」は?
会話では sin querer、説明的に言うなら por accidente を使います。
「偶然」をビジネスシーンなどフォーマルな場で使うときは?
accidentalmente が適切です。公式文書やレポートで使われます。
「全くの偶然だった」の言い換えは?
Fue una pura casualidad が定番。他に「Fue por pura casualidad / Fue pura casualidad」も自然です。

まとめ:「偶然」を正しく使い分けて、スペイン語会話の誤解をゼロにする第一歩

本記事では、スペイン語の「偶然」を表す表現(por casualidad・coincidencia・sin querer)の使い分けから、文型(Fue una casualidad que… / Dio la casualidad de que…)、さらに丁寧な依頼表現まで、実践的な例文とともに徹底解説しました。

大切なのは「偶然=por casualidad」という単純な暗記ではなく、場面によって使う表現が全く違うということ。特に「うっかりミス」を por casualidad と言ってしまうと、ネイティブには不自然に聞こえてしまいます。この記事で紹介した使い分けのコツを押さえれば、相手に正確に伝わる自然なスペイン語が話せるようになります!

さらに実践的な会話の中で「偶然」の表現を使いこなしたいなら、スパニッシモの無料体験レッスンがおすすめです。プロの講師が、あなたの「¡Qué coincidencia!」(なんて偶然!)のイントネーションや、sin querer と por accidente の微妙なニュアンスの違いを的確にフィードバックし、教科書には載っていない自然な使い分けを教えてくれます。

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