スパニッシモのDELEコーチングコースで学び、DELE B1合格を果たした柳原葉子さん。この記事では、柳原さんがどのように「読む・聞く・書く・話す」の4技能を伸ばしていったのか、実際の学習法や工夫を詳しく伺いました。
DELEコーチングコースでの先生との学習はもちろん、聞いた音声を書き取って内容を理解する練習や、覚えた単語を毎日復習するアプリの活用、作文の添削に生成AIを取り入れる方法、緊張しやすいスピーキング対策のコツなど、実践的で再現性のある対策が盛りだくさんです。
「4技能の対策方法がわからない」そんな方にこそ参考にしていただきたい、リアルな体験談です。

筆記試験対策:文章作成のコツと自分に合った練習方法

これからは、DELEの4技能それぞれの学習方法について、お聞かせください。

筆記対策の授業では、どのようなことを学ばれましたか?

まず教わったのは、「お題の条件を正しく読み取って、見落とさないことが大事」ということです。
例えば問題文に、
・「挨拶を書きなさい」
・「最後に締めのあいさつの言葉を入れなさい」
といった具体的な指示がある場合、それを必ず文章に反映させる必要があるという点ですね。
こうした細かい条件を読み逃さず、確実に満たすことが、試験で減点されないための重要なポイントだと学びました。
また、文章の構成も意識して書くように指導いただきました。
起承転結のような大きな構成までは求められませんが、論理的に話の流れがつながっていることが評価につながるということでした。

授業の中で特に印象に残っている場面はありましたか?

はい、いくつかあります。
まず、授業の前に手書きで文章を書いて、それを写真で送って先生に添削してもらうという学習スタイルがとても実践的でした。
先生からは「授業の15分前までに提出してね」と言われていたので、毎回その時間までに送るようにしていました。
授業ではその原稿を一緒に読みながら、文法の誤りやスペルミスなど、細かい部分まで丁寧にチェックしてもらいました。こうしたフィードバックがとてもありがたかったですね。
後半の授業では、DELE公式サイトからダウンロードできる試験用の解答用紙を使って、本番と同じ形式で練習しました。
これにより、制限字数内でどれくらいの分量が必要なのかの感覚をつかむことができたと思います。


実際のフォーマットに書くことで、試験に近い感覚がつかめたんですね。

そうですね。特に印象に残っているアドバイスとしては、「120〜150語で書く指示がある場合は、なるべく150語に近づけるように書いたほうが良い」という点です。
できるだけ多くの情報を盛り込み、しっかり書き切ることが評価につながると教えていただきました。
それから、先生は添削しながら口頭で改善点を教えてくれるだけでなく、チャットにも修正案をその場で入力してくれたので、とても分かりやすかったです。
さらに、「もう一度清書して提出してね」と言われることもあり、フィードバックを踏まえて書き直すことで、表現力や文章を構成する力が確実に鍛えられました。

授業以外では、どのように筆記試験の対策をされていましたか?

日常的に、スペイン語話者とアプリなどを活用してチャットでやり取りする中で、自然と文章を書く練習になっていたと思います。「どう書けば伝わるか?」を考える中で、文章構成力のトレーニングにもつながりました。
また、ChatGPTも活用して作成した文章の添削を行いました。
自分で課題を書いたあとに、「どこが間違っているのか?」「より自然な言い回しは?」といった点を確認し、文法や単語の使い方を修正してもらいました。
さらに、追加で筆記練習問題を出してもらって練習することもありましたし、レッスンがない時でも“先生代わり”として活用して、効率的に学習を進めていました。

口頭試験対策:流暢に話すコツは“積み重ね”にあり!

口頭試験対策ではどのようなことに取り組まれましたか?

口頭試験対策では、まずスピーチのメモをあらかじめ作成しておき、レッスン当日に発表するというスタイルで練習しました。
先生から「じゃあ話してみて」と促され、録画されながらスピーチを行う形式でした。
よく指摘されたのは、「話す際に止まりすぎてしまう」「もっと流暢に、自信を持って話すことが大事」という点です。このアドバイスは、何度も繰り返し受けました。
コース初期は、スピーチの内容を授業中に先生と一緒に修正をしていましたが、途中からは、原稿を自分で事前に作成し、それを“見ずに話す”練習に切り替えました。
筆記試験対策と同じく、先生はスピーチ原稿にも細かく添削を加えてくださり、最後には「もう一度、流暢さを意識してやってみよう」と声をかけて、繰り返し練習に付き合ってくださいました。

本番の試験では原稿を準備する時間はないかと思いますが、どのように対策されましたか?

そうですね、本番の試験では原稿を作る時間はもちろんありません。
最初は何をどう話せばいいのか分からず、原稿を用意して覚える形で練習するしかありませんでした。
でも、練習を重ねる中で、自然と話の構成が頭に入ってくるようになったんです。
そのおかげで本番試験では、キーワードだけをメモしておき、それを見ながら話すようにしました。
また、試験ではテーマを選ぶことができるので、自分が話しやすいテーマを選んでスムーズに話せたのも良かった点です。
これまでの練習の成果として、スピーキングの得点も高く評価されたのではないかと思います。

話の構成も、練習を通じて自然と身についていったのですね。

はい、繰り返し練習することで、話す流れや構成が自然と定着していきました。
それから、Carina先生によく言われていたのが、「接続詞をもっと使おう」という点です。
入学試験や中間試験、レッスンの中でも、接続詞の使用不足が課題として挙げられていたので、意識的に取り組みました。
先生から送っていただいた接続詞の一覧表を常に手元に置き、練習の際には必ず何かしらの接続詞を使うように意識していました。
もちろん本番試験ではリストを見ることはできませんが、日々の練習で意識していたおかげで、自然と使えるようになっていたと思います。
読解試験対策:単語力強化と論理的に読む力を身につける

読解対策の授業では、どのような取り組みをされましたか?

読解対策では、Cronómetroの教材を使って、わからない単語を徹底的になくすことを目標にしました。
すべての課題で知らない単語を調べて、ただ意味を確認するだけでなく、理解を深めて記憶に定着させる工夫も行っていました。

どのようにして単語を定着させていたのですか?

「Anki」というアプリを使って、調べた単語をすべて登録していました。
使い方としては、
- 調べた単語はすべてAnkiに登録し、毎日寝る前に復習
- 単語だけでなく、フレーズや文章も登録し、スペイン語→日本語の問題形式でテスト
- 単語の意味がイメージできるよう、絵や写真を一緒に登録
といった工夫をして、視覚的にも記憶に残りやすいようカスタマイズしていました。
やっぱり「単語が分からないと始まらない」という意識が強かったので、「知らない単語をできるだけゼロにする」ことを常に意識していました。
単語の意味が理解できるようになると、読解問題に対する手応えも出てきた気がします。

先生との授業では、読解はどのように進めましたか?

先生との授業は、
自分:まず音読して文章全体の流れをつかむ
自分:設問に答えを選び、その答えを選択した理由を考える
先生:「なぜその答えを選んだのか?」と質問
自分:回答を選択した根拠を説明することで、論理的に読む力を鍛える
といった流れで進めていきました。
この「理由を説明する」というプロセスがとても良かったです。
ただ解くのではなく、「なぜその選択肢を選ぶのか」を言語化することで、読解の理解が深まりました。

普段からスペイン語を読む習慣はありましたか?

はい。興味のあるテーマについてスペイン語で書かれたインターネットの記事を読むこともありました。
特に「じっくり読みたい」と思う記事があれば、プリントアウトして精読するようにしていました。
その際は、
・紙に余白を作って、わからない単語を書き込めるようにする
・調べても分からない部分はAI(ChatGPTなど)や先生に質問
・重要語はAnkiに登録して、あとで復習できるようにする
というように、読解をしながら語彙力の強化につながるよう工夫していました。
リスニング試験対策:聞き取れるだけでは不十分? 効果的な対策方法

リスニング対策はどのように行っていましたか?

自分なりには頑張っていたつもりでしたが、試験の結果としてはまだまだ伸びしろがあると感じました。
そこで、まず取り組んだのが、テキスト『Cronómetro』のリスニング音声を使ったディクテーション(聞いた音声をそのまま書き取る練習)です。
全ての音声をディクテーションする中で、「単語は聞き取れていても、それを意味として理解できていない」ということに気づかされました。
この経験から、リスニング力を伸ばすには“聞くこと”だけでは不十分で、読解や語彙力との連動が重要だと強く感じました。


リスニング音声を使った学習で、他に工夫していたことはありますか?

はい。音声スピードを落として再生したり、一文ごとに止めて、聞いた内容を繰り返し発音する練習をしていました。
また、シャドーイングのように流れた音声のあとに続けて発音する練習も取り入れていました。

シャドーイングで音声の後に続けて発音する練習はどんな点で効果を感じましたか?

私は以前、英語を勉強していたときに、音声を繰り返して発音する練習がすごく効果的だった経験があったんです。
「スペイン語でも同じようにやってみよう!」と思い、教材の音声で実践してみました。
やってみて実感したのは、「自分が言えるようになった言葉は、自然と耳にも入ってくるようになる」という感覚です。
最初は口に出すのが難しかった表現も、繰り返しているうちにスラスラ言えるようになり、似たような表現が聞き取りやすくなった気がします。

その気づきが、ディクテーションや読解対策にもつながったのですね。

そうですね。音と意味を結びつけるためには、やはり単語の理解が不可欠だと思いました。
それに、DELEのリスニング問題って選択肢が結構ひねってあるので、ただ聞き取れただけでは対応しきれません。
音声の内容を正しく理解して、設問の意図を読み取る力も求められると感じました。

試験対策以外でも、リスニングで何かされていましたか?

はい。「Domestika」というスペインのオンラインレッスンの動画|サイトが好きで、よく見ていました。
イラストやものづくりに関する講座をスペイン語で観ているのですが、興味のある分野なので楽しく続けられますし、耳を慣らす意味でもとても役立っていると感じています。

おわりに
本記事では、柳原葉子さんのDELE B1試験合格に向けた具体的な4技能(読む・聞く・書く・話す)の学習方法をご紹介しました。
印象的だったのは、どの技能にも「自分に合ったやり方」を見つけて取り組まれていたこと。単語の復習にアプリを活用したり、作文をAIに添削させて改善を繰り返したり、模擬面接での緊張と向き合いながら話す練習を重ねたりと、試験に向けて一つひとつの課題と丁寧に向き合っていく姿勢がとても印象的でした。
柳原さんの体験からは、工夫しながら楽しく学ぶことが、結果的に合格につながることが伝わってきます。
これからDELEを目指す方も、ぜひ本記事で紹介している対策方法や、自分に合ったやり方を見つけて、一歩ずつ試験合格に向けて進んでみてください。
また柳原さんのDELE合格を目指すきっかけやDELEコーチングコース受講の進め方などは以下の記事よりご覧いただけます。
また柳原さんが受講されたスパニッシモのDELEコーチングコースの概要は以下よりご覧いただけます。
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スペイン語の資格試験の合格を目指す場合、スペイン語の実力を伸ばすことはもちろんですが、それぞれの試験にあった対策はとても大切です。
スパニッシモでは、DELE試験に特化した対策コースを提供しております。
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