(最終更新日 2018/11/13)
こんにちは。スパニッシモの吉澤です。
スパニッシモではフエゴ火山噴火発生直後から、被災地支援として、避難所へ赴き、継続した必要な物資の確認と寄付を行なっております。
今回は、支援物資の受け渡しとともに発生後6週間目の被災者の方々の生活や今の心情を知るため、アロテナンゴ市の避難所で働く調整員の方と被災者の方々へインタビューをしてきました。
本記事では、被災者の方々のインタビュー動画を掲載いたします。
(避難所で働く調整員へのインタビューはこちらの記事に掲載しております。)
こちらの動画からグアテマラの避難所の状況を確認して頂き、より知って頂けると嬉しいです。
目次
グアテマラのフエゴ火山噴火後の現在の状況は?
まずはじめに、CONRED(グアテマラ国家災害対策調整委員会)のウェブサイト上での発表を掲載いたします。
前回レポート(7月28日)のデータと比較すると、公式に登録されている避難所の数が15から17に増えており、避難者の数が2,839人から3,197人へ、358人が増えていることがわかります。人数の増加の原因としては新たな発見者、非認可の避難所から受け入れている人達などが含まれているとのことでした。
アロテナンゴ市とエスクイントラ県の二箇所が避難場所ですが、エスクイントラ県では非認可の避難所の数が増えていると現地の調整員に話を伺っており、今後も増加する可能性があるとのことでした。
2018年8月3日現在での避難所にいる人々のデータは以下です。
発生後6週間目:アロテナンゴ市の避難所で生活する被災者の方々へインタビューをしました。
アロテナンゴ市の避難所で生活する被災者の方々のインタビュー動画をご覧ください。
(インタビュー実施日:2018年7月9日(月))
インタビュー動画:アロテナンゴの避難所で暮らす女性たち
【インタビューの要約をこちらに記載いたします。】
Q. 噴火発生から1ヶ月、現在の心境を教えてください。
私は、家がなくなってしまったため、ここから出ることができません。
私は、夫に言ったんです、「これから私たちはどうしていったらいいのだろうか」と。
残念ながら、私たちはここにいて、この度起きた悲劇によって、仕事も家もなくなり戻るところがなくなってしまったからです。
私たちは天からのお告げがあるまで、もう何もなく、どこに行くこともできず、待つことしかできません。
私たちは天に、どこに私たちを導くのか、どのように私たちは0から始めなければいけないのかを聞きました。
Q. 噴火発生から1ヶ月、現在の状況を教えてください。
働く機会がないかと常に探している状況です。
できる限り今まで働いてきた形の、慣れている仕事などです。
私たちは2つの職業の機会しか見つけることができませんでした。
以前私は、沿岸沿いで週に2〜3回ほど働いていました。
ここ(アロテナンゴ市)からは、もう行くことができず(噴火の影響で道が封鎖されているため)、仕事も残したままです。
午前中に小さな集落の小さな学校で働いていたのですが、今ではそこに入ることもできません。
またここでの生活では、前は自由に出ることはできなかったのですが、
今では避難所からも自由に出ることができるようになりました。
何か必要であれば、買いに出ることもできます。
Q. これからの仕事の機会は見つかりましたか?
仕事の機会はありません。
私たちは、仕事がないままの状態です。
私は、前は働いていましたが、現在は働いていません。
私がここにいる間は、私は働きには出ないと思います。
なぜなら、子どもたちがいるからです。彼らをここに残して出ることはできません。
以前は、義母が子どもの面倒を見てくれていたので、仕事へ出ていました。
しかし、今は見てくれていた義母が別の避難所にいて、確実に安全だと言い切れない避難所に子どもを置いて出ることはできないのです。
Q. 避難所生活が続く中で、あなたの夫は何をされていますか。
私の夫は現在教会の司祭として、避難所での生活などの話をしながら近辺を周り、
子どもが教育を受けられるよう現在も継続して様々な人へ働きかけています。
Q. 今後、期待されていることはありますか。
私たちの住んでいた場所に関しての返答ですね。
もちろんみんな、自分たちが住んでいた場所に戻りたいと思っています。
待つことしかできませんが、今後の解決策がどうなるかが早く知りたいです。
Q. 子どもの授業について、現在どのような状況ですか。
幸いなことに、こちらは既に解決しました。
今日、ちょうどから授業が始まり、子どもたちは授業を受けてきました。
通常の時間帯ではありませんが、週2回少なくとも2時間から2時間半などを受けることができるようになりました。
Q. 授業を受けるにあたり、足りないものはありますか。
体育の授業を行うための靴などが足りていません。
避難をするときに、時間はなかったので、持ってくる時間はありませんでした。
【要約はここまでです。】
インタビュー動画:アロテナンゴの避難所で暮らす男性たち
【インタビューの要約をこちらに記載いたします。】
Q. 噴火発生から1ヶ月、現在の状況を教えてください。
私の名前はセサ フランといいます。
アロテナンゴ市から8kmほどに位置するエル ポルベニルという村に住んでいます。
私の家は大きな被害もなく、火山灰が降ってきただけでした。
しかし、仕事の場も機会も失ってしまいました。
何が一番のストレスになっているかというと、これから私たちがどうなるのか、何もわからず、何をすることもできないことです。
今、大事なのは、生きているということです。それは世界共通です。あとは家族ですね。
私は今まで20年間働いてきました。
まだ仕事は住んでいた場所にあり、持っている状態です。
しかし、これから何が起きるのか、どうなっていくのかを私たちは知らないので、継続できるのかも不安です。
Q. 以前の仕事を教えてください。
私は、沿岸沿いの養豚場で働いていました。
Q. 今後の仕事の機会などは現在ありますか。
私はアロテナンゴにある3つの会社に就職活動を行いましたが、良い返事をもらうことはできませんでした。
しかし、現在こちらで働けるように人に会い、色々と試していきたいと思っています。
Q. 現在、どのようなことに不安を感じていますか。
一番の心配は家族です。今は被災者同士で協力しあい、食事や服などをまかなっていますが、
いつかは自分たちで生活を確立していくときがきます。
そうなる前に、生きていくために、仕事の場や機会を見つけておかなければならないですね。
Q. 噴火発生から1ヶ月、現在の状況を教えてください。
私の名前はアリサンドロ ドミネスです。
私は農業に従事していたのですが、彼が言ったように、仕事の場や機会はなくなってしまいました。
ここでは、現在移動することも難しく、ここに3人いて、仕事を探していますが、
今までで何も確約しているものはありません。
電話などもかけて、待ってもいます。何か仕事の機会があると聞けば、オフィスにも行きましたけど、
そもそも、現在ここで仕事を得ることが難しい状況なんです。
もちろん、今は食料などもあり生活はできますが、通常の生活に戻るためには仕事は必要です。
【要約はここまでです。】
グアテマラの被災者の方々について
本インタビューは2018年7月9日に撮影したため、約1ヶ月経ち状況は変わっている可能性はありますが、
インタビュー動画の最初に話をした女性のように、被災者の方々は、普段は明るく振舞っていますが、被災者の方々の多くは、今後の生活への不安が大きい状態です。
例えば、下記のような不安があります。
・失くなってしまった仕事はこれからどうしていくことができるのか。
・仕事がなく、お金がない状態で今後生きていくことはできるのか。
・失くなってしまった住む場所については、これからどうしていったらいいのか。
・いつまで避難所での生活が続いていくのか。
普段、被災者同士ではなかなか話づらいことなど、スパニッシモとして伺った際に、彼らに寄り添い話してもらうことで、少しでも彼らの気持ちを理解していきたいと思っております。
以前お話しした復興までのフェーズでいうと、グアテマラは【復旧・復興期】にあたります。
このフェーズで重要なのは、人の生活の再建です。
そのため、まずは仕事に就くことや住む場所が決まっていくことが重要となります。
しかしながら、そもそも十分な雇用がないグアテマラでは、再就職が難しい状況です。
スパニッシモとしても、できる限りサポートをしていきたいと思っています。
スパニッシモとしての今後の支援活動について
スパニッシモでは、アロテナンゴ市の避難所での支援だけでなく、
新たにエスクイントラ県の避難所への支援も開始いたしました。
次回の記事では、エスクイントラ県の現状や支援内容をご紹介いたします。
支援や避難所での現状などにつきまして、疑問やご質問等ありましたら、ぜひコメント欄へ記載してください!
グアテマラ、フエゴ火山噴火後の支援レポートのアーカイブ
グアテマラ、フエゴ火山噴火後の支援レポート Vol.2:Alotenango市の避難所へノート・ペン・鉛筆寄付しました。