(最終更新日 2024/09/17)
スパニッシモでは、スペイン語能力を証明する公式資格試験「DELE」の対策コース「DELEコーチングコース」を提供しています。
今回の記事では、スパニッシモのDELEコーチングコースを受講し、見事にDELE C1レベルに合格された神瀬雅之さんに試験対策方法についてお話を伺いました。
神瀬さんは、入学試験では、特に会話のパートで課題を感じられ、他の技能も全体的に不足が見られる結果でしたが、コースでの対策と自己学習を重ねて試験に合格されました。
本記事では、神瀬さんが実践された試験対策方法や、自己学習での工夫を詳しくご紹介します。
目次
DELE合格までの学習期間
DELE対策は合計でどれくらいの期間されましたか?
対策期間は、DELEコーチングコースを受講した3ヶ月間です。主にスパニッシモのDELEコースを週3回、夜の時間に受講し、それとは別に毎日通勤時間を使って学習していました。
DELE対策の授業や通勤時間を使って、1日の学習時間はどのくらいでしたか?
1日あたり1〜2時間ほど学習していたと思います。授業前は予習を行い、通勤中はスペイン語で自分が楽しみながら学習ができるYouTube動画を視聴していました。DELE対策の後半には単語帳を作成し、単語や慣用句の学習と動画視聴を半々の割合で取り組んでいました。
特によく見ていたのは、Youtube「RTVE Cocina」チャンネルの「Comerse el mundo」シリーズです。スペインのシェフが世界中を回って美味しいものを食べる番組で、少し話すスピードは速いですが、面白い内容なのでスピードを落として聞いていました。また、ベネズエラ人youtuber 「Oscar Alejandro」が配信している、マイアミから様々な場所をレポートする動画もよく視聴していました。これらの動画は、内容が親しみやすく、学習に最適でした。
全体的に対策が必要と再認識した入学試験
本コースでは受講前に入学試験を受けていただきますが、C1レベルの試験はどのように感じられましたか?また、結果はどのように受け止められましたか?
入学試験の結果を見たとき、特に自信があった会話パートが予想以上にボロボロで、「これはまずい」と強く感じました。日常会話と試験での会話はやはり違いがあり、試験には特有の型があります。それを試験を通して十分に理解していなかったことに気づくことができました。特に長文を読んで要約し、それを話す試験がとても難しく、全く対応できなかったのをよく覚えています。また会話パートは一人では練習できないので、危機感を感じました。
長文読解やヒアリングも不十分でしたが、これらは自分で数をこなせば改善できると感じていました。それでも、試験結果を受けて、全体的にもっと対策が必要だと強く再認識しました。
入学試験後、先生から試験結果の共有とフィードバックが行われた上でDELE対策の授業が始まりました。入学試験後はどのように試験対策を進めていきましたか?
まず、読解やヒアリングに関しては、単語の習得には多読が効果的だと考えました。そのため、できるだけスペイン語の文献に触れるようにして、常に読むことを意識しました。また、テキストを中心に学習することを決めて、あれこれ手を広げるのではなく、DELEコースの指定教材『Cronometro』に集中して取り組むことにしました。知らない単語があれば、文章の中で覚えるようにして、効率よく語彙力を伸ばしていきました。
先生との対策で役立ったことや印象的だったことはありますか?
読解や聴解の試験対策では、問題を授業前に自分で解いてきて、授業でその答え合わせをします。その際に「どうしてその答えを選んだの?」と質問されるのが特に印象的でした。当てずっぽうの時は「当てずっぽうです」と答えなければならず、逆に「この文を読んで、この部分が類義語だから選びました」といった説明をする必要がありました。そうしたやりとりを通じて、「その読み方は違うから、ここに注目すべきだ」と具体的な指摘を受けることができ、試験問題の解き方が徐々に改善されていきました。ただ正解・不正解を確認するだけでなく、解答の根拠を考えるプロセスがとても役立ったと感じています。
入学試験の結果で危機感を感じられた会話や筆記の対策はいかがでしたか?
入学試験を通じて、会話や筆記の試験の改善が必要だと分かり、先生からの指摘を意識しながら少しずつ改善できたことが大きかったと感じています。
会話や筆記の対策では、基本的なミスが多いと指摘を受けました。例えば、男性形・女性形や単数・複数の使い分けなどです。そういった基本的な部分をしっかりと修正しなければならないと感じました。また、日常会話や業務での会話には問題がありませんが、試験のように正式な場で評価されながら話すという状況では、まだ十分できていないことがわかりました。
そのため、授業では指摘された点を全てメモし、次回の対策授業ではそのフィードバックを意識しながら話すことを心がけていました。このように、少しずつ改善していく形で対策を進めていました。
試験結果が合格水準の中間試験!課題は口頭試験のさらなる向上
4技能を一通り対策された後に中間試験を受けていただきました。結果は大幅に成績が上がり、Aptoで合格水準でしたね。この中間試験を受けてどのように感じましたか?
おそらく、1ヶ月半の学習で4技能の対策をしたことで、試験に慣れたことが大きかったと思います。最初は試験の解き方や、特有の答え方がほとんど未知でしたが、4技能の対策を進めていくことで、以前にC2レベルを受験した際のパターンを思い出すことができました。DELE特有の問題の出し方があり、選択肢を読むと「これはひっかけの可能性もある」という判断ができるようになったり、解答の選択肢を先に見てから問題を読む・聞くことで、どのポイントに注意すべきかが以前より分かるようになりました。
急に私のスペイン語能力が大幅に向上したというよりは、試験対策の授業を通じて試験に慣れていったことが、点数の向上に繋がったのだと思います。
中間試験の結果から、ご自身で課題だと感じることは何かありましたか?
中間試験の結果を見て、全体的に点数が平均的だったため、どこかで大きな取りこぼしをしてはいけないという感覚がありました。試験の各セクションで合格点が30点のところ、35〜36点ほど取れれば安心できると思います。しかし、私の結果ではその点数に届いておらず、試験に対して安心感は持てませんでした。
この結果を受けて、もう少し積極的に取り組む必要があると自覚しました。長文読解やリスニングは自分の努力次第で一人で改善できる部分ですが、口頭や筆記に関しては先生の助けが不可欠です。そこで、特に口頭試験に重点を置き、毎回の授業で模擬口頭試験を行うように担当してくれた先生にお願いしました。これにより、少しでも合格の安全圏に近づけるために、口頭試験のスキルを集中的に伸ばしていきました。
中間試験後から毎回の授業で口頭試験の対策を行っていたのですね!その対策で何か工夫されていたことはありますか?
具体的には、指定教材『Cronometro』の課題に加えて、自分で題材を見つけて活用していました。C1の会話試験では、長文を読んでから3分間のサマリーを行うタスクがありますよね。それに合わせて、私は自分でテーマを用意し、先生と練習していました。先生からはNHK Worldを使うことを勧められましたが、NHKの内容は日本の話題が中心で、簡単に感じてしまいます。
そのため、スペインの新聞の社説などを題材として使用するようにしました。練習方法としては、授業の30分前に社説の文章を読んで、授業中に先生に説明するというスタイルです。特に、試験でよく出題される環境問題や教育問題など、試験に関連するテーマを選び、より試験に近い内容で練習を重ねていきました。
神瀬 雅之さんのDELE4技能の試験対策方法
これから4技能それぞれの対策方法を教えてください。読解はどのように対策をされましたか?
読解に関しては、結局のところ『Cronometro』だけに集中して対策をしました。教材を徹底的にやり込み、わからない単語は単語帳に書き写して、文章の中で覚えるようにしていました。
単語帳を作成する際、何かこだわりはありましたか?
単語帳は「Wordholic」というアプリを使って作成しました。これは、スパニッシモでC1に合格された方の体験記で紹介されていたアプリで、私もその記事を参考にして利用しました。このアプリでは、Excelに単語を入力してアップロードすると単語帳として使えるのですが、私はただ単語を覚えるのではなく、文章として記憶することにこだわりました。そのため、必ず短文も単語帳に加えるようにしました。
短文作成にはChatGPTを使って、短文と日本語訳を生成していましたが、思った通りにリストが作れなかった部分もあり、そこは惜しかったです。もっとスムーズにできれば、単語帳をより効率よく作成できたと思います。
単語は使用していたテキストで分からなかったものをピックアップし、慣用句は『Cronometro』の巻末に掲載されていたものを中心に覚えるようにしていました。できる限り、文中で覚えることを心がけ、アプリを使って何度も繰り返し学習することで暗記を進めました。
リスニングはどのように対策をされましたか?
リスニングの試験対策では、授業前に自分で問題を解いて、授業中にその答え合わせを行いました。その際、先生が「なぜその答えを選んだのか?」と質問してくれたので、回答の根拠を説明する練習を行いました。この練習によって、回答の根拠を考える癖が身につき、試験本番でも問題に取り組む際に非常に役立ちました。
自己学習としては、通勤時にスペイン語の動画を視聴し、耳を慣らすことを意識して取り組みました。スペインや中南米のさまざまなスペイン語に触れることで、それぞれのアクセントやスピードに慣れるため、できるだけ色々な国の動画を見るようにしていました。
筆記はどのように対策をされましたか?
筆記対策としては、授業前に『Cronometro』の問題で音声を聞き、それに基づいてサマリーを作成し、授業の中で先生に添削してもらうという流れでした。サマリーを作成すること自体には特に問題はなかったものの、男性形・女性形の使い分けやケアレスミスをどれだけ減らせるか、自分でしっかり見直せるようになることが重要です。先生の添削内容は必ずメモをして、次の課題に活かしつつ、細部に常に注意を払うよう意識しました。
また、サマリーを書くためには、まず試験問題のヒアリングがしっかりできるかどうかが大きなポイントです。サマリーを作成する前に、まず内容を正確に聞き取れるようになるためのヒアリング力が鍵になると感じました。
会話はどのように対策をされましたか?
会話の対策としては、授業前に文章を読んで、その内容を授業中に先生に話す練習を行っていました。こちらは先ほどお話しした内容と同じですね。
ディベート形式の試験もありますが、こちらはこれまで業務で培った経験もあり、自信があったため、対策をスキップしました。
明確な目標設定と強制的に学習できる仕組みが学習意欲を維持する鍵
3ヶ月の対策はかなりハードだったと思いますが、その中で学習モチベーションを維持するためにしていたことはありますか?
試験を受ければ勉強が一区切りつく、という意識が常にあったことです。試験日が決まっていることで、その日まで一生懸命頑張ろうという気持ちが自然に湧いてきました。終わりが見えないとモチベーションを維持するのは難しいですが、明確な目標とそれを達成する期限を設けたからこそモチベーションが保てたと思います。
また途中で「勉強したくないな」と感じることがあっても、スパニッシモの授業を受けることで強制的に机に向かうことができ、結果的に勉強を続けられました。完全に自習だけだと続けるのは難しいと思いますが、こうした強制的な仕組みは、試験対策の学習を続ける上でとても大事だと思います。授業が始まってしまえば会話練習も進みますし、50分のプログラムは集中力を保つのにちょうど良い時間でした。授業の分量やカリキュラムのバランスも良く、非常に助かりました。
明確な目標とやり切る覚悟が自身の成長につながる
どんな人にスパニッシモのDELEコーチングコースはおすすめ?
まず、資格を取得したい方にはもちろんおすすめです。DELE合格を目指している方には、ぜひこのコースを勧めたいと思っています。
ただ、正直に言うと、3ヶ月のDELEコーチングコースには費用がかかる部分もあります。ですので、スパニッシモのような教育機関にサポートをお願いしつつ、自分でもある程度自習ができる方で、足りない部分を先生とのマンツーマンレッスンで補うというハイブリッドな学習スタイルを取れる方に特におすすめです。
また、資格という形で第三者機関からの認定を得ることで、自分のライフスタイルやキャリアに新たなオプションが増えると思います。そうした達成感を得たい方にも、このコースはぴったりだと思います。合格すると、やはり大きな達成感がありますし、自分の努力が認められる喜びは格別です。
特に、年齢を重ねると、褒められたり認められたりする機会が少なくなります。そういった中で資格を取得することは、自己成長を実感できる貴重な経験になるのではないでしょうか。
本当にその通りですね。スペイン語の成長を感じることや、キャリアの選択肢を広げることにもつながる、貴重な経験になりますね。ありがとうございます。
最後にこれからDELEを受験される方へメッセージをお願いします。
まずは、楽しみながら学習を進めてほしいということが一つです。そして、遠慮せずに、先生に自分が何を学びたいのか、どの部分を強化したいのかを具体的に伝えてください。そうすることで、先生がしっかり応えてくれると思いますし、自分専用の学習カリキュラムもカスタマイズできる部分があるので、効果的な学習ができると思います。
そして目標を決めたら、何よりも最後までやり切ることが大事です。結果はその次で、コースを最後までやり切ること自体が、自分の成長につながります。そんな心構えで取り組んでいただければと思います。
最後にスパニッシモはプログラムがしっかりしていて、入学試験や中間試験もあるので、非常に取り組みやすいコースです。DELEを目指している方には、おすすめできるプログラムですので、ぜひ試してみてください。
おわりに
本記事では、神瀬雅之さんのDELE C1合格に向けた試験対策方法についてお聞きしました。
神瀬雅之さんの試験対策方法をお聞きして、特に印象に残ったのは、ご自身の弱点を的確に把握し、講師と相談しながらカリキュラムをカスタマイズして対策を進めていった点です。自己学習と授業を効果的に組み合わせた工夫が、DELEC1レベルの合格に繋がったのだと感じました。3ヶ月という限られた時間の中で、目標をしっかりと見据えて、ひたむきに取り組む姿勢に感銘を受けました。
今回ご紹介した学習方法やモチベーション維持の工夫を参考に、ぜひ皆さんもDELE試験対策に取り組んでみてください。
なお、神瀬さんのDELEコーチングコース受講の感想は、別の記事で詳しく紹介しています。
もしDELE試験対策方法がわからない場合は、ぜひスパニッシモにお問い合わせください。
*スパニッシモのスペイン語の認定試験「DELE」対策講座*
スペイン語の資格試験の合格を目指す場合、スペイン語の実力を伸ばすことはもちろんですが、それぞれの試験にあった対策はとても大切です。
スパニッシモでは、DELE試験に特化した対策コースを提供しております。
DELE試験監督の資格を持つ講師とマンツーマンで対策をすることで、読む、書く、聞く、話すの4技能を総合的に伸ばしていくことができます。
スパニッシモのDELE対策で試験の概要やコツをつかんで、自信を持って試験日を迎えませんか?