スペイン語の敬称|基本のSr. Sra.の使い方とマナー

敬称のアイキャッチ画像

(最終更新日 2024/08/07)

スペイン語の敬称は、言語の学習だけでなく、文化を理解する上でも重要な要素です。それぞれの敬称には独自のニュアンスと文脈があり、適切に使用することで、より自然で礼儀正しいコミュニケーションをすることができます。

しかし、敬称をつけるタイミングやルールについてわからない、という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、スペイン語の敬称の一覧と、使用ルールとマナーについて詳しく紹介します。

相手に適切な敬意を示すことで、より円滑なコミュニケーションを行えるようになりましょう!

この記事でわかること
・スペイン語の敬称の一覧
・スペイン語の敬称を使うルールとマナー

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スペイン語の敬称一覧

以下にもっとも汎用的なスペイン語の敬称と略称を紹介します。

スペイン語略称日本語
SeñorSr.男性への敬称(さん、氏)
SeñoraSra.既婚女性または年配の女性への敬称(さん、夫人)
SeñoritaSrta.未婚の女性または若い女性への敬称(さん、嬢)
Seño略称なし既婚・未婚を問わず使える非公式な敬称
Don略称なし高い敬意を表す男性への敬称
Doña略称なし高い敬意を表す女性への敬称
LicenciadoLic.学士号を持つ男性への敬称
LicenciadaLic.学士号を持つ女性への敬称
DoctorDr.博士号を持つ男性または医師への敬称
DoctoraDra.博士号を持つ女性または医師への敬称
ProfesorProf.教授または教師への男性への敬称
ProfesoraProf.教授または教師への女性への敬称
MaestroMtro.専門家や芸術家、または教師への男性への敬称
MaestraMtra.専門家や芸術家、または教師への女性への敬称

メールを書くとき、スペイン語の敬称を使って相手の名前を記載します。

スペイン語のメールの書き方は以下で紹介しています。

男性の敬称の表現

スペイン語圏でも、日本と同じように礼節を重んじる傾向が強く、特に社会的地位や年齢によって相手を呼ぶ際には敬称を用いることが多いです。ここではもっとも汎用的なSeñorとDon について紹介します。

Señorの使い方

「Señor」は、英語の “Mr.” に相当し、一般的にはフォーマルな状況で使用されます。

例えば、ビジネスの場面や初対面の人に対して使うことが多いです。また、名前の前に付けて「Señor + 名前」の形で使用することもあります。

実際のシチュエーションでの例文:初対面

Mucho gusto, señor Rodríguez. Mi nombre es Juan.
(初めまして、ロドリゲスさん。私の名前はフアンです。)

Señor López, es un placer conocerlo. He oído mucho sobre usted.
(ロペスさん、お会いできて光栄です。あなたのことはよく聞いています。)

Mucho gusto, señor Rodríguez. Mi nombre es Juan.
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実際のシチュエーションでの例文:レストラン

Buenas tardes, señor. ¿Es la primera vez que visita nuestro restaurante?
(こんにちは、お客様。当店は初めてのご利用でしょうか?)

Señor Martínez, su mesa está lista.
(マルティネスさん、あなたのテーブルが用意できました。)

実際のシチュエーションでの例文:ホテルや企業の受付

Buenos días, señor. ¿Cómo puedo ayudarle hoy?
(おはようございます、お客様。今日は何のお手伝いができますか?)

Donの使い方

「Don」はより尊敬の意を込めて、特に年配の人々や高い社会的地位の人々に対して使われます。また、「Don」は名前と一緒に使用され、「Don + 名前」の形で呼びかけることが一般的です。

実際のシチュエーションでの例文:初対面

Don Francisco, fue un placer conocerlo.
(フランシスコ様、お会いできて光栄でした。)

Buenos días, Don Juan. ¿Cómo está usted hoy?
(おはようございます、フアン様。今日はお元気ですか?)

実際のシチュエーションでの例文:ホテルや企業の受付

Don Carlos, su coche está listo.

Don Carlos, su carro está listo.


(カルロス様、お車がご用意できました。)
「車」はスペインでは coche を使いますが、中南米では carro を使います。

「Don」は非常にフォーマルな敬称でありますが、相手への敬意を表し、日常的に使うこともあります。私の住んでいたグアテマラでは年配の男性対しては「¡Hola Don Rodrigo!」のように使っていました。

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女性の敬称の表現

男性への敬称の使い方と同じく、スペイン語における女性への敬称の使用は、コミュニケーションの礼儀正しさと流暢さに大きく寄与します。もっとも汎用的なSeñora、Señorita、Seño、Doñaの使い方について紹介します。

Hola, sra Margarita. ¿Cómo está usted?
Image by Freepik

Señoraの使い方

Señoraは、一般的には既婚の女性や年配の女性に対して使用されます。ビジネスの場面やフォーマルな状況でよく使うことが多いです。また、「Señora + 名前」の形で使用することもあります。使い方の例文については、男性のSeñorで紹介したものと同じです。

Señoritaの使い方

Señoritaは、未婚の若い女性に対して敬意を表すために使用されます。しかし、近年では「Señorita」が未婚の女性に限定されるという考え方は古いとされることも。多くの場合、女性全般に対して「Señora」が使用されることが増えています。

Señoの使い方

ここまでは一般的な話を紹介しましたが、敬称を使われたときの感じ方は人それぞれ異なります。人によっては「Señora」と呼ばれることを快く思わない女性もいます。

筆者が住んでいたグアテマラやメキシコでも10代、20代の女性と話すときに、Señoraと呼んでしかめっ面をされた経験もありました。

そこで便利な呼び方が「Seño」です。これは「Señora」または「Señorita」の短縮形で、親しみを込めて使用されます。非公式な敬称ですが、メキシコやグアテマラでは非常に一般的です。

しかし、ビジネスやフォーマルな場、カジュアルな場であるが何を使うべきか迷った際は、Señoraがもっとも無難です。

Doñaの使い方

 「Doña」は「Don」の女性版とも言えます。尊敬の意を込めて、特に年配の女性や高い社会的地位の女性に対して使われます。「Doña + 名前」の形で呼びかけることが一般的です。使い方の例文はDonで紹介したシチュエーションと同じです。

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スペイン語で敬称を使う際のルール

敬称を使う際には、以下の3つのルールを守るようにしましょう。

ルール①「名前と姓の前で使える」敬称と「名前の前のみ」の敬称

Señor、Señora、Señorita、Señoは名前や姓の前に使用することができますが、DonやDoñaは名前の前でのみ使用できます。

ルール②敬称で大文字を使うとき、使わないとき

敬称を書き出すときにはスペイン語の敬称を大文字にすることはありませんが、略語は必ず大文字にします。

例:

Buenos días, señor García. ¿Cómo está usted hoy?

Buenos días, Sr. García. ¿Cómo está usted hoy?
(おはようございます、ガルシアさん。今日はお元気ですか?)

Buenos días, señor García. ¿Cómo está usted hoy?
Image by pressfoto on Freepik

ルール③定冠詞をつけるとき、つけないとき

第三者を「señor」、「señora」、「señorita」で指すときは、必ず定冠詞の「el」または「la」を含めますが、直接誰かに話しかけるときは定冠詞を含めません。

「don」や「doña」では、定冠詞は使用しません。

第三者を指すときに定冠詞「el」または「la」を含める。

El señor Rodríguez no está en la oficina hoy.
(ロドリゲスさんは今日、オフィスにいません。)

No he visto a la señorita Martínez hoy.
(今日はマルティネスさんを見ていません。)

直接誰かに話しかけるときは定冠詞を含めない。

Señora García, su pedido está listo.
(ガルシアさん、ご注文の品が準備できました。)

「don」や「doña」を使用する際には、定冠詞は使用しない。

Don Alejandro, su reservación para la cena está confirmada.
(アレハンドロ様、夕食のご予約を確認いたしました。)

Doña Isabel, su taxi ha llegado.
(イサベル様、お呼びしたタクシーが到着しました。)

まとめ 敬称を使った表現

今回はスペイン語の敬称の表現の仕方とルールについて紹介しました。

それぞれの敬称には独自のニュアンスと文脈があり、適切に使用することで、より自然で礼儀正しいコミュニケーションをすることができます。

ぜひ覚えておきましょう。

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スペイン語を話せるようになるには、インプットだけでなく、アウトプットとして、学んだことをどんどん練習することが大切です。

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About Kai Yoshizawa

スパニッシモブログ編集担当 スペイン語ほぼゼロ状態でグアテマラでスペイン語学習。その後スパニッシモで、文法解説動画「Spanish in 3 steps」やビジネススペイン語コーチングコース、メキシコキャリア養成講座などのコース開発他、講師マネジメントや学習者のサポートに従事。 自身のスペイン語学習経験や多くのスペイン語学習者をサポートしてきた経験を踏まえて、すぐに実践できるスペイン語情報をお届けします。