(最終更新日 2024/08/07)
スペイン語を使い、グアテマラで活躍しているJICAボランティアの方々。
そんな彼らは、現場へ赴任する前と、赴任中に、どのようにスペイン語を学習しているのでしょうか。
今回はグアテマラの第二の都市シェラで小学校教諭ボランティア隊員として活躍している川原翼さんにスペイン語の学習について執筆して頂きました。
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目次
Q.現地でどんな仕事をされていますか?
青年海外協力隊25年度1次隊小学校教諭ボランティアの川原翼と言います。
ブラジルで生まれ、日本で育ったため、ポルトガル語は話せませんでしたが、学生の時、1年間ブラジルに渡り、ボランティア活動をする中で、日常会話程度のポルトガル語を身に着けました。
日本では、神奈川県下の公立小学校で教師として5年間働き、協力隊に応募しました。また、仕事の傍らで、ブラジルなどの在日外国人児童の支援を行うNGO団体に所属しています。
現在は、グアテマラの第二の都市ケツァルテナンゴにあるスペイン語・キチェ語二言語交文化教員養成校にて、将来、小学校の先生を目指す生徒に日本の指導法を基にした算数の教授法を教えています。
具体的には、日本のJICAとグアテマラの教育省、サンカルロス大学が協力して、日本の算数教科書を参考にして作った「グアテマティカ」という教科書が国定教科書になっており、その教科書の使い方を教えることがメインの活動です。
Q.どのようにスペイン語を学習しましたか?
グアテマラ派遣前のスペイン語学習について
青年海外協力隊ボランティア候補生は、ボランティアとして派遣される前に、長野県の駒ヶ根訓練所もしくは、福島県の二本松訓練所にて約2か月半の事前訓練を受けなければなりません。
私もグアテマラに派遣される前には、2か月半泊まり込みで、駒ヶ根訓練所にて訓練を受けました。訓練の大半は、現地に行ってから活用するスペイン語の習得です。事前テストでレベル分けされた5~6人のグループにネイティブの先生が一人付き、一日に最低でも4時間、多い時には一日中スペイン語漬けでした。授業後も、毎日宿題が出るため、夜も一日に2~3時間は自主学習をしていました。
私は、ポルトガル語が少し話せたため、スペイン語学習には入りやすかったです。しかし、スペイン語はポルトガル語に比べ、時制変化が多く、文法も複雑なため、特に動詞の活用を繰り返し覚えるように勉強しました。
グアテマラ到着時には、すでにグアテマラを旅行するだけならば何ら困らないぐらいのスペイン語は身についていました。
子どもが読むお話の要約でスペイン語力アップ
スペイン語学習をしていてお勧めの学習法は、スペイン語で書かれた小学生が読むような簡単なお話しを読む方法です。
一度、辞書を使わずにざっと何回か読んで、読んでわかった内容をノートに自分なりにまとめてスペイン語で書きます。この時になるべくお話を丸写しにならないように、お話の本は伏せることが大切です。初めて見た単語もなるべく自分が知っている別の単語で言い換えるようにします。自分でノートにまとめることができたら、今度はさっきのお話を知らない単語など調べながらゆっくり読み込んでいきます。そして、ノートにまとめた内容を、できればスペイン語の先生に添削してもらいます。そうすることによって、スペイン語を読む力もそうですが、書く力も上達しました。
あとは、スペイン語の検定試験のDELEの勉強を行いました。やはり何か目標があった方がモチベーションが保たれますし、読む・聞く・書く・話す能力を万遍なくレベルアップさせることができるのでお勧めです。
世界が広がるスペイン語。大胆に思い切って!
スペイン語は動詞の活用が多く、文法も複雑で難しいですが、現在、中南米を中心とした多くの国でスペイン語が話されています。アメリカでも中南米からの移民によって、英語話者数よりもスペイン語話者数の方が多くなったと言われています。つまり、スペイン語を話せるようになればそれだけ多くの国でより多くの人たちとコミュニケーションを取ることができるようになり、自分の目の前の世界もさらに広がります。
完璧を求めて、すべて正しい文法で話そうとするとうまく話せなかったりしますが、大切なのは、「その人と話したい。伝えたい。」という気持ちだと思います。間違いを気にせず、思い切って相手の胸に飛び込む気持ちで、大胆にスペイン語を話してみてください!