(最終更新日 2024/08/07)
スペイン語を使い、グアテマラで活躍しているJICAボランティアの方々。
そんな彼らは、現場へ赴任する前と、赴任中に、どのようにスペイン語を学習しているのでしょうか。
またグアテマラに着任し何に困り、それをどのように乗り越えてきたのでしょうか。
今回はグアテマラの西部に位置するトトニカパンで栄養士として活躍している
太田旭さんにスペイン語の学習について執筆して頂きました。
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目次
Q. 現地でどんな活動をされていますか?
グアテマラの未来の子どもたちのために
こんにちは!宮城県蔵王町出身の栄養士 太田旭です。
私の配属先であるグアテマラ トトニカパン県地域保健事務所は、県内の保健医療を総括する行政機関です。様々な職種のスタッフ約90名で県民の健康増進・予防・治療に取り組んでいます。派遣先は、私が資格条件や実務経験数をクリアーできていたことや、青年海外協力隊の最終面接試験で『母子保健に関わる仕事だったらどこでもいいです。』と答えた結果から、縁があってこちらに配置されたのだと思っています。
私の仕事は、主に子どもや赤ちゃんと妊婦さんの健康状態の改善と維持を目的に、保健医療スタッフへ定期的に開催している研修会の企画・運営です。栄養についての講習はもちろん、調理実習を実施したり、正しい母乳の与え方、手洗い方法など衛生指導も行っています。着任当初は、もっと子ども達と触れ合う時間があると思っていたので多少戸惑いもあったのですが、自分なりに今やっている業務が子ども達の生活に繋がっていると信じ、やりがいを感じながら取り組んでいます。
研修受講者が少しずつ知識を身につけられた次は、習得した知識を他者に上手に伝えられなければもったいないと感じ【レシピ普及大作戦】(注)という栄養教育教材作成及び普及プロジェクトを立ち上げ活動しました。『読み書きのできない方でも理解しやすく』をコンセプトに、弊プロジェクトで作成したレシピ集とDVDは、現在グアテマラ各地で活用され高い評価を得ています。
語学学習とは積み重ね、スペイン語の訓練を受け始めたばかりの自分には今こうして1日中スペイン語を使い働く自分なんて想像できませんでした。語学訓練を始めた2年前に遡り、これまで私が行ってきたスペイン語学習方法について紹介していきたいと思います!!
Q. どのようにスペイン語を学習しましたか?
丸暗記上等!初心者でも簡単スペイン語学習
初めに「この動詞の原形は何ですか?」という言葉を丸暗記しました。スペイン語の動詞は時制と人称により複雑に変化します。当時スペイン語初心者だった私は、それら動詞の活用方法を最初の1ヶ月強で全て覚え活用できるようになるのは難しいと判断しました。そして自分なりに考え、
①単語を1日10個覚える
②生活で使う短い文章を1日1個丸暗記する
③動詞の活用や文章を声に出して読む、文章は意味がわからなくても音読する
というノルマを自分に与え、スペイン語学習に取り組みました。
グアテマラに着いた当初、レベル分け試験で最高得点を取得しました。他の生徒と比べてストイックな学習をしていた訳ではないのですが、日本で基礎文法の種類をしっかり学んだことが高得点に結びついたのかと思います。
また丸暗記した文章や片言の単語を使って、スペイン語の先生と1ヶ月間具体的な文法の活用方法を学びました。特に、状況や場合によりどの文法を用いて動詞を変化させ文章を構成するのか、例を用いて細かくすり合わせを行いました。質問したくても『何がわからないかすらわからない状況』から脱し、学習と会話が少しずつ楽しくなっていきました。
語学訓練と活動のギャップ。台本のないプレゼン
語学訓練の頃から、音読学習の成果が大きく出てきました。会話文の構成をする際、音読していたことで単語の配置をリズムで覚えて、頭で深く考えなくても自然と単語を並べられることが多くなりました。また、『口が回らず歯がゆい』ということも音読により減っていきました。
※この音読学習法は、とある英語圏語学学校の日本人経営者さんから良いと教えられ実行しました。スペイン語でも有効な学習法だと思います。
しかし配属先着任後すぐ、ワークパートナーからプレゼンテーションを実施する際に台本等を用いるのは禁止だとはっきり言われました。最初は20分の発表をするにもボロボロで、この先本当にここでやっていけるのか?と不安で震え上がったことを覚えています。
ある程度文法の理解が深まった後は、何よりも積極的に会話をすることが語学力向上の秘訣だったように思います。語学訓練を終えた後は、JICAの活動を通して自分が伝えたいことをプレゼンテーションなどで話す機会を沢山設けたり、興味がある現地の食文化について話し合える人を見つけディスカッションをしたり、その中で慣用句や熟語などを少しずつ覚えていきました。
海外に行けば話せるなんて嘘!話そうという気持ちが語学力を育てる
【いざ海外に行ってしまえば、やむを得ず話す様になり語学力が身につく】という話は、神話であると思っています。【聴いているだけで喋れる】ようになった人にも、未だかつて会ったことがありません。実際に海外に出てアウトプット機会が増えるということは、話すスキルを磨く上で重要な要素になるとは思います。しかし、最初に基礎文法を理解しておくこと、詳しく活用方法を覚えられなくてもどんな文法の種類があるのかを知っておくだけでも、その後の語学習得力に大きく影響するのだと思います。
私の場合は相手を理解したいという気持ち、伝えたいという想いが自分の語学力を伸ばしてくれたのだと思っています。誰かに何かを伝えたいと思う気持ちは強い味方!語学力がボロボロな自分を受け入れ、許し慰めつつ独学で学習に励み、今では当たり前のように楽しくプレゼンテーションを実施できるようになりました。急なプレゼンの無茶ぶりも大きなチャンス!チャンスを逃さないためには日々チャレンジだと思っています。
やはり「この人と話がしたい!」「○○の話がしてみたい!」と、教科書や参考書と向き合うだけではなく【話をする】ということが、スペイン語反射神経と会話力を鍛えてくれるのだと思います。