スペイン語の線過去とは?不規則動詞3つと点過去との違いを完全解説【2024年版】

(最終更新日 2024/11/22)

「子供の頃よく公園で遊んでいた」「昔は静かな街だった」―このような過去の習慣や状態をスペイン語で表現する時に使うのが「線過去(せんかこ)」です。

この記事では、多くの学習者が点過去との使い分けで悩む線過去の使い方と活用を、初心者でもわかりやすく解説します。

この記事では、多くの学習者が悩む点過去の使い方と活用を、初心者でもわかりやすく解説します。
例文も豊富に紹介するので、すぐに使えるようになります。

この記事でできるようになること
✓ 線過去と点過去を正しく使い分けられる
✓ たった3つの不規則動詞を完璧に覚えられる
✓ 日常会話で線過去を自然に使える
✓ 過去の習慣や状態を適切に表現できる
✓ よく使う例文15選をマスターできる

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線過去とは?

線過去は、過去の「継続的な状態」や「繰り返しの習慣」を表すスペイン語の時制です。

例えば、「子供の頃はよく公園で遊んでいた」「その頃は東京に住んでいた」など、過去のある期間が「線」のように続いていたことを表現します。

【線過去を使う場面】

✓ 過去における継続的な状態:昔は〜だった
✓ 過去の習慣的な行動:よく〜していた
✓ 過去のある時点での行動:〜している時に

【考え方のコツ】

線過去は「現在の基準点を過去にずらす」と考えると分かりやすいです。

現在形 → 線過去の変化:

・Soy estudiante.(私は学生です)
  → Era estudiante.(私は学生でした)

・Estudio todos los días.(毎日勉強します)
 → Estudiaba todos los días.(毎日勉強していました)

【点過去との違い】

使い分けのポイント線過去点過去
いつ?子供の頃、昔(漠然)昨日、先週(明確)
回数は?よく、いつも(習慣的)一回限り(完了)
状態は?〜だった(継続的)〜した(完了)

点過去については以下で詳しく解説しています。

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線過去習得に必要な不規則動詞は3つだけ!

線過去の大きな特徴は、不規則動詞がたった3つしかないことです。
これは点過去の不規則動詞が10個以上あることと比べても、とても覚えやすいと言えます。

この3つさえ覚えてしまえば、他の全ての動詞は規則的な活用(-ar動詞は-aba、-er/-ir動詞は-ía)で対応できます。

まずはこの3つをしっかり覚えましょう。

①ser(〜である)

人称活用形
私(yo)era
あなた(tú)eras
彼/彼女(él/ella)era
私たち(nosotros)éramos
彼ら(ellos)eran

②ir(行く)

人称活用形
私(yo)iba
あなた(tú)ibas
彼/彼女(él/ella)iba
私たち(nosotros)íbamos
彼ら(ellos)iban

③ver(見る)

人称活用形
私(yo)veía
あなた(tú)veías
彼/彼女(él/ella)veía
私たち(nosotros)veíamos
彼ら(ellos)veían

線過去の3つの基本用法

線過去は、主に3つの場面で使われます。

それぞれの特徴を、日常的な例文とともに見ていきましょう。

1)過去の状態や習慣を表す

過去のある時点での様子や、繰り返し行っていた行動を表現します。

Antes fumaba mucho, pero ahora no fumo.
(以前はたくさんタバコを吸っていたけど、今は吸いません)

De pequeño, jugaba al fútbol todos los días.
(小さい頃は、毎日サッカーをしていました)

2)過去のある時点でしようとしていたこと

その時に予定していたことや、しようと思っていたことを表します。

Ya terminaba el trabajo cuando me llamaste.
(あなたが電話してきた時、仕事を終えるところでした)

¿Qué querías decirme ayer.
(昨日何か言いたいことがあったの?)

3)過去のある時点までの継続

ある過去の時点までどれだけ続いていたかを表現します。

Estudiaba español desde hacía dos años.
(その時までスペイン語を2年間勉強していました)

Trabajaba en esa empresa cuando ocurrió el accidente.
(その事故が起きた時、私はその会社で働いていました)

【使い方のコツ】

  1. 「よく」「いつも」「毎日」などの頻度を表す表現とよく使います
  2. 「その頃」「子供の頃」など、漠然とした時期の表現と相性が良いです
  3. 現在と比較する時(antes…pero ahora…)によく使います
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すぐに使える!線過去の実践例文集

実際の会話でよく使う線過去の例文を、場面別に見ていきましょう。
特に初級者が使いやすい表現を集めました。
これらの例文は、日常生活でよく遭遇する場面を想定しています。
状況に合わせて主語や動詞を変更することで、様々な場面で応用できます。

過去の習慣を表す

状況スペイン語日本語
学生時代の習慣Cuando era estudiante, estudiaba todos los días.学生の頃は、毎日勉強していました。
子供の頃の習慣De pequeño, jugaba al fútbol con mis amigos.子供の頃は、友達とサッカーをしていました。
以前の生活習慣Antes fumaba mucho, pero ahora no fumo.以前はタバコを多く吸っていましたが、今は吸いません。
昔の趣味Los domingos siempre iba a pescar.日曜日はいつも釣りに行っていました。
家族との思い出Mi madre cocinaba pasta todos los domingos.母は毎週日曜日パスタを作っていました。

過去の状態を表す

状況スペイン語日本語
性格・特徴Era una persona muy amable.とても親切な人でした。
場所の様子La ciudad era más tranquila.その街はもっと静かでした。
天候Hacía mucho frío ese día.その日はとても寒かったです。
気分・体調Me sentía muy cansado.とても疲れていました。
所持品Tenía un coche pequeño.小さい車を持っていました。

過去の行動の最中を表す

状況スペイン語日本語
電話が来た時Mientras cocinaba, sonó el teléfono.料理している時に、電話が鳴りました。
出かける直前Cuando iba a salir, empezó a llover.出かけようとした時に、雨が降り始めました。
勉強中の出来事Estudiaba cuando mi amigo llegó.友達が来た時、勉強していました。
食事中の様子Comíamos cuando se fue la luz.食事をしている時に、停電になりました。
仕事中の状況Trabajaba cuando recibí tu mensaje.あなたのメッセージを受け取った時、働いていました。
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線過去の確認問題

学習した内容の理解度をチェックしてみましょう。
まずは自分で考えてから、解答・解説を確認してください。

学習した内容の理解度をチェックしてみましょう。

基本問題:適切な線過去の形を選ぼう

  1. Antes yo ( ) en Madrid.
    a) vivía b) vivías c) vivíamos
  2. Cuando era joven, ( ) mucho.
    a) estudiabas b) estudiaba c) estudiábamos
  3. ¿Tú ( ) café todos los días?
    a) bebía b) bebías c) bebíamos
  4. Mis padres ( ) en esta casa.
    a) vivía b) vivían c) vivíamos
  5. Nosotros ( ) juntos al colegio.
    a) iba b) ibas c) íbamos

【解答・解説】

  1. a) vivía → 「私」が主語なので、一人称単数形を使います
  2. b) estudiaba → 文脈から主語は「私」で、一人称単数形です
  3. b) bebías → 主語が「tú(あなた)」なので、二人称単数形を使います
  4. b) vivían → 主語が「両親(複数)」なので、三人称複数形を使います
  5. c) íbamos → 主語が「nosotros(私たち)」なので、一人称複数形を使います

応用問題:日本語をスペイン語に訳そう

  1. 子供の頃、私は野球をしていました。
  2. 彼は優しい先生でした。
  3. 毎朝コーヒーを飲んでいました。
  4. その時、私は東京に住んでいました。
  5. 私たちはよく公園で遊んでいました。

【解答・解説】

  1. De niño, jugaba al béisbol. → 過去の習慣を表すので線過去を使います
  2. Era un profesor amable. → 過去の状態を表すので線過去を使います
  3. Bebía café todas las mañanas. → 繰り返しの習慣を表すので線過去を使います
  4. En ese momento, vivía en Tokio. → その時点での状態を表すので線過去を使います
  5. Jugábamos mucho en el parque. → 過去の習慣を表し、主語が「私たち」なので一人称複数形を使います

よくある質問(FAQ)

Q1. スペイン語の点過去と線過去の違いは? 

A:基本的な違いは以下の3点です。

使い分けのポイント線過去点過去
いつ?子供の頃、昔(漠然)昨日、先週(明確)
回数は?よく、いつも(習慣的)一回限り(完了)
状態は?〜だった(継続的)〜した(完了)

Q2. 線過去の不規則動詞は何がありますか?

 A:線過去の不規則動詞は以下の3つだけです:

  • ser(〜である)
  • ir(行く)
  • ver(見る) ※他の動詞は全て規則的な活用になります。

Q3. 線過去はいつ使えばいいですか? 

A:主に以下の3つの場面で使います:

  • 過去の習慣を表す時(よく〜していた)
  • 過去の状態を表す時(〜だった)
  • 過去の行動の最中を表す時(〜している時に)

Q4. 点過去と線過去の見分け方のコツは? 

A:以下の3つの質問で簡単に見分けられます:

  • その出来事は完全に終わっていますか?(はい→点過去)
  • 時期は明確ですか?(はい→点過去)
  • 一回限りの出来事ですか?(はい→点過去)

※点過去についての詳しい解説は以下の記事をご覧ください。

まとめ:スペイン語の線過去をマスターしよう!

本記事では、スペイン語の線過去について、基本概念から実践的な使い方まで詳しく解説しました。

線過去は、スペイン語の過去時制の中でも特徴的な時制の一つです。「昔よく〜していた」「その頃は〜だった」といった、過去の習慣や状態を表現する際に必須の文法項目です。

今回紹介した表現を使いこなすには、実際の会話の中で積極的に使ってみることが大切です。まずは、「子供の頃よく何をしていましたか?」「昔はどんな人でしたか?」といった、思い出を語る会話から練習してみましょう。

ネイティブスピーカーと実際に会話をしながら線過去の使い方を練習したい方は、スパニッシモの無料体験レッスンもご活用ください。

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グアテマラと日本を拠点に展開するオンラインスペイン語会話サービス「スパニッシモ」の共同創業者。中米の国制覇+南米はペルーとボリビアに旅行経験アリ。グアテマラで起業後、累計9年滞在し、メキシコやスペインでの滞在歴もあり、スペインやラテンアメリカの国の生活事情について詳しい。