スパニッシモでは、スペイン語の公式資格試験「DELE」の対策コース「DELEコーチングコース」を提供しています。
この記事では、DELE B1試験に挑戦し、見事合格した蝦名浩平さんの試験対策を詳しく紹介します。
蝦名さんは、DELEコーチングコースの学習を始めた当初、B2レベルの合格を目指していました。学習を進めるうちに、基礎となる単語や文法の見直し、そしてリスニング力の強化が必要だと感じた蝦名さんは、受験レベルを見直してレベルをB1に変更。結果としてB1で合格しました。
この記事では、蝦名さんがどのように課題を克服し、合格に至ったのかを詳しくお伝えします。
DELEコーチングコースとは?
DELEコーチングコースは、3ヶ月間の短期集中対策講座です。開始時にスペイン語のレベルチェックを行い、その結果に基づいて学習が始まります。この記事では、蝦名浩平さんがコース開始時に受けた入学試験、中盤の模擬試験の結果、そして4技能の対策方法についてお話しいただきます。
目次
DELE試験対策期間の学習時間とスケジュール
DELE試験対策の期間中、1日の学習時間やスケジュールはどのように設定していましたか?
平日は授業を含めて朝に約2時間、土日は6時間程度学習していました。平日は午前5時から7時の時間を確保し、授業は6時から始めます。授業の前に1時間、必ず準備時間を取り、1週間同じ時間帯で学習するよう心掛けていました。
朝の勉強は、まず前日に覚えた単語をすぐに確認することから始めました。その後、スペイン語圏の国の天気予報を聞きながらそれを真似して発音するシャドーイング練習をします。授業がある日は、前回の内容を復習して授業に備えていました。
週末には平日に行なった1週間の学習内容を振り返り、日々行なっている天気予報のシャドーイングに加え、興味のあるスペイン語の動画を見たり、図書館で文法を確認する時間を取りました。スペイン語の学習をしていると、6時間があっという間に感じましたね。
平日と週末で計画を立てて、学習をされていたのですね。それではこれからDELEコーチングコースで行われた試験対策について、お聞かせください。
入学試験で実感した文法や単語などの基礎の構築
本コースでは初めに入学試験を受けます。入学試験を受けて、B2レベルの試験はどのように感じましたか?また、その結果をどのように受け止めましたか?
入学試験を受けた時点では、まだ学習を始めたばかりだったので、結果が低くても「当然かな」と感じました。しかし、目標は高く持つべきだと思い、自分ならB2に挑戦できると信じて決めました。今振り返ると、少し自信を持ちすぎていたところもあったかもしれません。
入学試験で、試験合格に向けて伸ばすべき技能は明確になりましたか?
入学試験を受けて一番感じたのは、文法の基本的な型が身についていないということです。これをしっかりと覚える必要があると強く感じました。また、語彙力も不足していたため、もっと単語を増やさなければならないとも思いました。
この2点が主な課題であり、全体的な基礎力の強化が必要だと痛感しました。
入学試験の結果をもとに学習カリキュラムが作成されたと思います。蝦名さんの場合、文法や語彙力などのスペイン語の基礎の部分が課題と伺いましたが、課題と感じた部分はどのように克服していきましたか?
授業では、特に文章を書く練習に重点を置きました。自分で文章を書くことで、どこが間違っているのかが明確になり、それを先生にチェックしてもらい、フィードバックを受ける流れです。その後は、そのフィードバックをもとに復習を繰り返しました。実際に文章を書くことで、文章構造や単語の使い方が自然に身についていき、それが成長に繋がったと感じています。
他の技能についてはどうでしょうか?
読解については、長いスペイン語の文章にあまり触れていなかったため、段落の構成や文章の基本的な流れを教わりました。最初は単語がほとんどわからず、問題を解くのもひと苦労の状態でした。そこで、わからない単語は自分で調べたり、先生に類義語やよく使われる表現を教えてもらいながら、少しずつ理解を深めていきました。
リスニングやオーラルはどうでしたか?
もともと大学でスペイン語を勉強していたのですが、大学を卒業してから十数年はスペイン語学習を続けていなかったので、スペイン語で聞く・話すこと自体が久しぶりでした。そのため、まず週末に「何をしたか」といった簡単なテーマから先生と話すことで、スペイン語に慣れるところから始めました。その後、独学で問題演習に取り組み、徐々にレベルを上げていきました。
中間試験で感じる「聞く力」の重要性とレベル変更の決断
4技能を全般的に学習された後、中間試験を受けましたね。結果は不合格の「No Apto」でしたが、この結果をどのように受け止めましたか?また、そこで感じた課題は何でしたか?
中間試験の結果を受けて、自分のレベルがまだB2に達していないことを痛感しました。入学試験の時と比べて、文法や単語などの基礎力は向上していましたが、スペイン語を「聞く力」が足りないと感じたんです。
そのため、まずはスペイン語をしっかり聞き取れるようになることが最優先だと考えました。聞き取るためには、単語をもっと覚える必要があるとも感じました。単語がわかれば、聞くことができ、それが書く、読む、話すといった他の技能にもつながります。そのため、単語を増やして「聞く力」をつけることが、今後の大きな課題だと認識しました。
また中間試験の結果を受けて、試験のレベルを再検討し、自分に合った目標を立て直すことが必要だと考えるようになりました。B2レベルを目指していましたが、先生と相談した結果、B1レベルで確実に合格することを目指すべきだと判断し、途中でB1レベルに変更する決断をしました。
中間試験後の結果から受験のレベルの見直しをされたのですね。レベル変更後、どのような工夫をして対策に取り組みましたか?
B1レベルに変更した後、リスニングや読解、筆記などの各技能についても、B1レベルに合わせた対策を重点的に進めました。
その中でも、特に中間試験で課題と感じた、スペイン語を「聞く力」を伸ばすことに注力をしたんです。具体的には、YouTubeを活用し、自分が興味のある内容をスペイン語で理解できるよう努めました。
私の場合、天気予報を毎日視聴しながらシャドーイングを行いました。私の練習方法は5分ほどの天気予報を聞きながら、聞き取れない単語は調べて実際に声に出し、練習します。この方法は試験当日まで継続して行いました。
天気予報は同じ表現が繰り返されるので、自然と耳に残りやすく、速い話し方にも慣れることができます。特に、ベネズエラやドミニカ共和国のニュースを視聴していたので、速いスペイン語に慣れる良い練習になりました。また、食事の時間には、海外のテレビ番組やCNNのスペイン語ニュースを流して、自然にスペイン語に触れるよう心掛けました。
スパニッシモでの対策で役立ったことは何ですか?
ネイティブの方が自然に使う表現や単語を直接聞けたことが非常に役立ちました。これは受験だけでなく、実際に中南米の人とスペイン語で話す機会にも繋がり、貴重な経験となりました。
また、書く力も大きく向上したと感じています。自分一人で文章を書いても、どのように書いた内容が正しいか否かを確認すれば良いかわかりませんが、先生に添削してもらい、フィードバックを受けたことで大きく成長できました。
オーラル対策でも、自分の話しているスペイン語が正しいかどうか不安でしたが、先生のフィードバックを通して話している内容を確認し、修正していくことで、改善できたことが非常に良かったです。
蝦名さんの行った4技能の対策方法
4技能について、それぞれの対策法を教えてください。まず、読解はどのように対策しましたか?
最初は読解が難しく、自分だけでは対応できませんでした。そこで、先生と一緒に問題を解きながら進める「同伴型」で学習を始めました。読む力がついてきた後は、事前に自宅で2回問題を解くようにしました。1回目は辞書を使わずに実戦形式で解き、2回目はわからなかった表現を調べて完璧に仕上げるという方法です。
授業ではその問題の答え合わせを行い、わからなかった点を先生に教えてもらいました。さらに、間違った原因についても「なぜこの選択肢を選んだのか」「どうして間違ったのか」といった分析を先生と一緒にすることで、理解を深めていきました。
最初は先生と一緒に進めていき、後半からは実戦形式で取り組む方法に変えていったんですね。実戦形式と辞書を使った学習には、違いが大きかったですか?
はい、違いは大きかったです。1回目は時間を決めて、何分で解くかを意識して進めました。プレッシャーもあり、スピードを重視しなければならない状況で、じっくり見直す余裕がありませんでした。しかし、2回目に時間をかけて問題を解くと、間違いを見つけやすくなり、答えが変わることも多かく、試験の見直しに良かったと感じています。
その他に自己学習で取り組んでいたことは何ですか?
主に、単語を調べてわからない部分を埋めていく作業をしていました。また、スペイン語のニュースサイト「El País」で興味のある分野のニュースを1日に1つ読むことを習慣にしていました。
毎日スペイン語の単語を調べたり、読む習慣をつけることで、自己学習でも読む練習をされていたのですね。次にリスニングはどのように対策していましたか?
リスニングも読解と同じように対策しました。まず1回目は音声を流して聞き、解答します。その後の2回目では、わからない部分で音声を止めたり、じっくり聞いて答えを導き出す方法です。そこでわからない表現や間違った箇所は、授業で先生に質問し、解説してもらうという流れでした。マンツーマン授業なので、先生にしっかり確認できるのがよかったです。
リスニングの対策でその他に自己学習していたことはありますか?
天気予報のシャドーイングや、スペイン語関連の動画を見ながら夕食を取る時間を設けることで、自然にスペイン語に触れる機会を増やしました。
週末には、SNSのハロートークを使って、リアルタイムのチャットやボイスメッセージでリスニングや会話の練習も行っていました。
筆記の対策の授業はどのように進めていましたか?
筆記では、まず自分で文章を書き、授業の前々日にその文章を先生に送りました。先生は授業当日までに添削してくれたので、授業中にその添削内容を確認しながら進めました。間違いを一つ一つ確認し、どのように表現を変えれば自然になるかを教えてもらいながら、改善していくという流れです。
効果的だったのは、先生のフィードバックを受けることで、自分の文章の弱点がはっきりとわかり、その場で修正できたことです。自分だけでは気づかないミスや不自然な表現も、プロの視点で指摘してもらえるため、毎回学びが大きく、文章力が確実に向上していると感じました。
筆記の対策でその他に自己学習していたことはありますか?
自己学習では、接続詞など決まった表現を間違えないよう重点的に学習しました。主に、通勤時間を使って接続詞一覧を見ていましたね。ただ、文章を書く練習自体はあまりしておらず、先生からのフィードバックをもとに、間違った文章を確認し、新しい表現を覚えるために書き写すことを中心にしていました。
フィードバックをしっかり受けて、それを活用することが大切だと感じています。
口頭試験の対策はどのように行いましたか?
口頭試験対策の授業では、試験本番と同じように、その場で与えられたテーマについて話し、先生からフィードバックをもらう実践的な形式で行いました。ほかの3技能とは少し異なる感覚での練習でした。
先生は話す内容や表現を、細かくチェックしてくれたのがとても良かったです。
また試験前日に、スペイン語のボランティア活動をしました。埼玉のメキシコの姉妹都市でイベントがあり、通訳のボランティアを募集していたので、スペイン語を話す絶好の機会だと思い、参加しました。その日は一日中スペイン語を話していたので、試験にも良い影響があったと思っています。
将来の理想の姿をイメージして学習意欲を高める
3ヶ月の対策を振り返って、大変だったことは何ですか?
正直なところ、あまり大変だとは感じませんでしたが、強いて言うなら、スペイン語を読むことに苦手意識があったことです。実は、スペイン語に限らず英語でも読むことが得意ではなく、できれば避けたいという気持ちがあったため、読解に対して積極的になれなかった点が少し苦労しました。
また、仕事が夜遅くなると、翌朝の早い時間帯の授業に慣れるのが大変でした。万全な状態で授業に臨みたいと思っていたものの、前日の疲れを引きずって眠いまま授業を受けることもあり、それが辛いと感じる時もありました。
3ヶ月の対策は学習の習慣化を確立するのがハードだったと思いますが、学習モチベーションを維持するためにしていたことはありますか?
モチベーションを保つのは正直難しいときもありました。そのようなときは、自分が好きな野球、特に大リーグのヒーローインタビューをYouTubeで見て、「これがすべて理解できたら楽しいだろうな」と想像しながら、モチベーションを高めていました。
自分が興味を持っている内容を通して、学習に対する意欲を維持できたのだと思います。
将来やりたいことに向けて、理想の姿を描くことで学習意欲を高めていたのですね!
やってきたことは無駄にならない!積み重ねたことが試験に活かされる
どんな人にスパニッシモのDELEコーチングコースはおすすめですか?
このコースはさまざまな方にメリットがありますが、特に初心者でこれからスペイン語の資格を取りたい、しっかりとスペイン語を学びたいと考えている方に最適です。DELE対策においては、どのように進めたらいいか悩むこともあると思いますが、このコースでは、しっかりとしたカリキュラムが用意されており、マンツーマンの指導で安心して学べます。先生とのやりとりを通じて、自分の進捗に合わせた学習計画が立てられるので、初めての受験者でも迷わず進められる点が魅力です。
もちろん、スペイン語を既にある程度学んでいる方にもおすすめです。例えば、高度な議論ができるようになりたい方や、さらに上のレベルを目指している方にとっても、このコースは非常に役立つと思います。自分の目標に合ったサポートを受けることで、確実にレベルアップできる点が、このコースの大きな強みです。
これからDELEを受験される方へメッセージをお願いします。
試験当日までしっかりと対策をしても、当日は不安を感じることがあると思います。「ちゃんとできるかな?」と心配になることもあるでしょう。しかし、実際に試験に挑むと、これまでの努力の成果が自然に現れる瞬間が必ず訪れます。気づかないうちに、手が動き、口が自然に言葉を発している自分に驚くこともあるでしょう。それは、これまで積み重ねてきたものが試験中にしっかりと活かされている証です。
これまでやってきたことは、決して無駄にはなりません。不安があるかもしれませんが、最後は自分を信じて、全力で頑張ってください。
おわりに
本記事では、蝦名浩平さんのDELE試験対策についてお話を伺いました。
蝦名さんとのインタビューで特に印象に残ったのは、日々の学習習慣をしっかりと身につけ、着実にスペイン語学習に取り組んでいた姿勢です。毎朝2時間、休日には6時間もの学習を継続することは、非常に難しいことだと思います。それでも、将来の理想の姿をイメージしながら努力を積み重ね、その結果として合格を勝ち取られたお話には深い感銘を受けました。
最後にいただいた「これまでの努力は決して無駄にならない」という言葉は、しっかりと学習を積み重ねて合格を果たした蝦名さんだからこそ、説得力があると感じます。
DELE試験の対策中には、時には辛いと感じたり、大変なこともあるかもしれません。しかし、蝦名さんがおっしゃる通り、努力の成果が実を結ぶ瞬間は必ず訪れます。これから受験を控えている方々も、ぜひ合格に向けて最後まで諦めず、努力を重ねていってください。
蝦名浩平さんが受講されたDELEコーチングコースの感想は、別の記事で詳しく紹介しています。
DELE試験対策に迷った際は、ぜひスパニッシモにお問い合わせください。
*スパニッシモのスペイン語の認定試験「DELE」対策講座*
スペイン語の資格試験の合格を目指す場合、スペイン語の実力を伸ばすことはもちろんですが、それぞれの試験にあった対策はとても大切です。
スパニッシモでは、DELE試験に特化した対策コースを提供しております。
DELE試験監督の資格を持つ講師とマンツーマンで対策をすることで、読む、書く、聞く、話すの4技能を総合的に伸ばしていくことができます。
スパニッシモのDELE対策で試験の概要やコツをつかんで、自信を持って試験日を迎えませんか?