(最終更新日 2024/05/08)
DELE試験はスペイン語を母国語としない人々のためのスペイン語能力を証明する公式の資格試験であり、スペイン語学習者にとって重要なマイルストーンの一つとなります。
合格するためには、学習計画と効果的な試験対策が不可欠です。
そんなDELE試験に合格された方が、どのような対策をされたか気になりますよね。
今回お話を伺ったのはDELEコーチングコースを受講し、DELE B1レベルに合格したK.Hさんです。
K.Hさんは入学試験の結果がD判定で、B1レベルの挑戦には厳しいスタートでしたが、本コースでの対策と自己学習を行い、試験に合格されました。
本記事では、K.HさんのDELEコーチングコースでの試験対策方法と自己学習での試験対策方法を詳しく伺いました。
目次
読解試験の対策方法
K.Hさんは入学試験で読解試験の正解率が6/18で、先生からは学習開始当初は単語力の不足と、活用や表現の理解を深める必要があったと伺いました。DELEコーチングコースの授業ではどのように読解の対策を行いましたか?
コースでは、まず読解の文章を辞書を使わずに読んでみて、回答を選ぶ練習をしていました。最初は内容が理解できず、推測で回答を選んでいたり、授業の説明もついていけない状態でしたが、対策を進めていく中で問題の取り組み方や文章を読む力を身につけ、自分の実力で解答を選べるようになりました。
また試験では全ての単語がわかる文章が出題されるわけではありません。そこで自分の知っている単語から答えを導き出せるようになるため、全ての単語を調べるのではなく、重要な単語のみを辞書で調べ、その理解をもとに回答を選ぶ方法も試みました。
読解試験対策を先生と行ったことで良かった点は何ですか?
最初は勉強方法に慣れていなかったので、勉強習慣を身につけることができたことです。
レッスンでは、先生から文法の活用が苦手であることを指摘され、読解で出会う重要な単語を使用して動詞の活用練習を行いました。読解問題のテキストを私の課題に合わせてアレンジしてもらったこの練習は非常に有益でした。
自己学習で行った読解試験対策はありますか?
DELEコーチングコース中は課題で忙しかったため、特に自己学習は行っていません。ただ、コースを受けたことでどのような学習を進めるべきかが明確になったことで、コース終了後はDELE対策教材のEdelsaを使用し、自ら時間を設定して読解対策を行いました。辞書があれば、文法の理解が不十分でも何とか解けるため、問題に取り組むときはまず辞書なしで解くことを意識していました。
DELE コーチングコースを一度受けたことで、読解試験の対策はある程度、自分にも対策できる分野だと感じています。
リスニング試験の対策方法
リスニングの入学試験の結果は9/18で、過去受講者と比べると平均以上でした。先生からは一般的なメッセージ内容は理解できるが、いくつかの単語や表現を認識できないことがあったと伺いました。こちらを踏まえて、DELEコーチングコースの授業では、リスニング試験対策はどのように行われましたか?
DELEのリスニング試験は、様々な国のスペイン語の音声を聞き、選択肢から解答を選びます。授業では先生と一緒に音声を聞いた上で、解答を選び、答えの確認を行った上で、間違えた部分に関して、なぜ間違えたかを再度音声を聞いて説明を受けました。先生からの解説は、自分がなぜ間違えたかを理解することができ、非常に役立ちました。
またスパニッシモの先生は比較的わかりやすく話します。リスニングの試験に関しては、様々な国のスペイン語のアクセントを聞くこともあり、それを先生と共有しながら学習できたのは良かったです。
リスニング試験対策の自己学習で意識して行っていたことはありますか?
リスニング問題には特定の形式が存在し、それを理解することで注意すべき点が明らかになります。まずは問題形式や種類を理解しました。
そして自己学習で音声を聞くときは、リスニング問題の提示される選択肢を事前に確認していました。提示される選択肢に目を通しておくことで、どのような内容の音声が流れるかをイメージを持つことができるので、この方法はとてもおすすめです。
また音声の文字起こしをした文章(スクリプト)を参照しながら音声を聞く練習も行いました。文字起こしした文章を参照しながら音声を聞くことで、聞き取れなかった単語の特定につながります。
聞き取れていなかった単語の箇所は改めて意識をして聞けるようにしていきました。
筆記試験の対策方法
筆記での入学試験では6/18で、先生からは動詞の活用や文章の構成、接続詞の使用についての指摘があったかお聞きしています。その上で、DELEコーチングコースでの筆記試験対策をどのように行ったか教えてください。
筆記試験対策では、宿題として事前に作成した文書を授業前に先生に送り、授業の中で確認をする形で進められました。
Carina先生からは、課題で100〜130字の指定がある場合、本番で文字数が不足せずに文章を書けるように、練習では字数の上限である130字で提出するようアドバイスを受けました。Carina先生との練習で何度も文章を書くことで、1つの文章で何文字になるかを想定できるようになったと思います。
先生は授業前に文書をレビューし、授業中にフィードバックをしていただきました。
先生からのフィードバックは役立ちましたか?
はい、非常に役立ちました。Carina先生からは、作成した文章の構成を見直すことや適切に接続詞を使用することなど、具体的なフィードバックをしていただきました。辞書を使用したり、インターネットで調べて使用した複雑な構文の文章は、すぐに指摘されましたね。
先生は私自身の書き癖を理解し、改善するアプローチとして、接続詞を使用した文章作成や動詞の活用の練習などをレッスンに取り入れていただきました。そのため、筆記技術だけでなく、スペイン語の能力向上にも重点を置いたレッスンになったと思います。
筆記試験対策において、自己学習でされていたことはありますか?
私の場合、DELEコーチングコース終了後に他のサービスで筆記対策を行いました。その際は特に筆記のテクニックに焦点を当て、点数減点の原因となるアクセント記号の誤用を避けることや、簡単で確実に使用できる単語への言い換えを心掛けるよう指導されました。例えば「退職後には〜」を「仕事をする期間を終えたら」などと書き換える練習です。
DELE本番試験では筆記の点数ギリギリでの合格だったため、学んだテクニックも有効であったと思います。
筆記試験対策において、もっと対策をしておけばよかったと思うことはありますか?
本番試験環境に則した練習が不足していたと感じています。普段の筆記練習ではシャーペンで文章を書いていたのですが、本番ではボールペンで清書が必要になります。
私の場合、本番ですとせっかくならきれいに書きたいという思いもあり、下書きから清書までに予想以上に時間を要し、結果として、最後に時間が足らなくなり、点数を落とす要因になったと思います。
本番では時間の制約があるので、事前に清書の練習をすることは非常に重要だと学びました。
口頭試験(オーラル)の対策方法
入学試験での口頭試験では7/18の点数で、筆記と同様に活用や接続詞の使用に関しての指摘があったと伺いました。その上で、DELEコーチングコースでの口頭試験対策はどのように行いましたか?
Carina先生との授業では、オーラルの対策で沈黙を避けるために、最初は簡単なメモを準備してレッスンに臨むよう心掛けました。これは話す内容を全てを書き留めるのではなく、話す内容の要点をメモ用紙に記す程度です。特に対策初期は、単語がわからず試験問題で提示されるテーマの理解が難しいこともあったため、事前に準備をしていました。
Carina先生は試験官さながら、私の解答が終わるまでは口出しをせず、しっかりと聞いてくれました。その後、間違えた箇所などのフィードバックをしてくれます。私の場合は接続詞や動詞の活用、文法のバリエーション不足についてアドバイスがあり、そのアドバイスに基づき、特に弱点とされた部分を集中的に練習しました。
先生との対策で良かった点はどういったことがありますか?
やはりオーラルの対策は一人ではできない側面があるため、しっかりと先生と確認することができたことです。またCarina先生の授業では、授業時間が5分余ったときには、その時間を有効活用し、苦手部分の対策を進めてくれたことが良かったです。
また、先生が回答した内容に関して様々な角度から質問してくれることで、対応力を養う練習も行いました。
このような対策を通じて、試験形式に慣れることの重要性を感じ、個人での対策の限界を改めて実感しました。
スコアアップや実力向上目的での受講におすすめのDELEコーチングコース
スパニッシモのDELEコーチングコースはどのような方におすすめしますか?
一つ目は、自力で問題集を解いて5〜6割の正答率を達成しているが、試験でのさらなるスコアアップを目指している方です。読解やリスニングの対策が退屈に感じるかもしれませんが、この段階に達している方にとっては、得点率を1〜2割向上させたり、オーラル試験など特定のセクションに焦点を当てた対策が有効だと思います。
二つ目は、実力を向上させたいが進歩を感じられない方、あるいは何らかの理由でスペイン語を上達させたいと願う方です。試験対策を超えてスペイン語の実力向上を目的とした教授法が多く見られるため、少し背伸びして受講することも一つの手段だと思います。また、私のようにこのコースを受けた後、自己学習で継続したり、コース後に足りない部分を補強することも良いと思います。
目標とするレベルに達していない状態でも、このコースを受講すべきだと思いますか?
実際に私自身が合格できる水準と自分のスペイン語のレベルに乖離がある状態で受講しましたが、大変有益でした。だからこそ読解やリスニング対策を先生と共に進めることも非常に有効だと感じています。
最後にこれからDELE受験をされる方へアドバイスをお願いします。
学習に対して何らかのプレッシャーを感じることで、学習効果が高まると思います。その意味で、DELE試験の受験は良い選択です。試験は、読解、作文、リスニング、会話の4つの技能を測るもので、日本のスペイン語検定とは異なるアプローチが求められます。試験についてしっかり研究し、資格を持つ試験官の指導を受け、試験時間を意識した対策を行うことが大切です。
試験形式や点数の取り方を明確に理解し、それに基づいて学習を進めることをお勧めします。
おわりに
本記事では、K.HさんのDELE試験対策方法をお聞きしました。
4技能それぞれを満遍なく伸ばしていくことで、試験合格に近づけていくことができます。今回紹介したK.Hさんの学習方法などを参考に、ぜひDELE試験対策を進めてみてください。
なお、K.HさんのDELEコーチングコース受講の感想は以下の記事にて紹介しています。
もしDELE試験対策方法がわからない場合は、ぜひスパニッシモにお問い合わせください。
*スパニッシモのスペイン語の認定試験「DELE」対策講座*
スペイン語の資格試験の合格を目指す場合、スペイン語の実力を伸ばすことはもちろんですが、それぞれの試験にあった対策はとても大切です。
スパニッシモでは、DELE試験に特化した対策コースを提供しております。
DELE試験監督の資格を持つ講師とマンツーマンで対策をすることで、読む、書く、聞く、話すの4技能を総合的に伸ばしていくことができます。
スパニッシモのDELE対策で試験の概要やコツをつかんで、自信を持って試験日を迎えませんか?